
監修医師:
長友 孝文(医師)
浜松医科大学卒業。自治医科大学附属病院、東京大学医科学研究所などで勤務の後、2022年に池袋ながとも耳鼻咽喉科を開院。院長となる。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医。
喉頭乳頭腫の概要
喉頭乳頭腫(こうとうにゅうとうしゅ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で発症する良性腫瘍です。喉にある声帯周辺の気管に腫瘍ができます。若年発症型と成人発症型に分類され、特に5歳以下の子どもに発症する例が多く見られます。
喉頭乳頭腫は良性腫瘍ではあるものの、再発も多いことが知られており、ごくまれに悪性化することもあります。また、多発することもあるため、特に小児では注意が必要な疾患です。
症状は嗄声(させい:声のかすれ)から始まり、進行すると腫瘍が声帯全体に広がって声が出なくなる可能性があります。特に小児の場合は、気道狭窄によって呼吸困難や喘鳴、チアノーゼなどが起こることもあります。
検査ではファイバースコープ(内視鏡の一種)を用いて喉頭の状態を確認します。
さらに、病変部位の組織を採取し、病理学的検査をおこなうことで確定診断します。
喉頭乳頭腫には根本的な治療法が今のところ存在しませんが、腫瘍そのものはレーザー治療などで治療が可能です。インターフェロン(腫瘍増殖抑制作用を持つ薬剤)の局所注入や腫瘍の外科的摘出術をおこなうこともあります。
再発を防ぐために、定期的な検査と経過観察が重要になります。

HPVについて
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚上などにも存在しているウイルスです。200種類以上ともいわれる多くの型があり、型によってそれぞれ感染しやすい場所や引き起こす症状が異なることが知られています。
一般的に、感染するといぼ状の病変を形成することが多く、その多くは良性の腫瘍となるものの、中には悪性度の高い腫瘍を形成しやすい「高リスクHPV」もあります。HPV感染に関係する疾患としては「子宮頸がん」などのがんが有名ですが、「尖圭コンジローマ」などの性病の原因にもなっています。
喉頭乳頭腫の発症には、低リスク型のHPV6型とHPV11型との関連が指摘されています。
喉頭乳頭腫の原因
喉頭乳頭腫の主な原因は、HPVへの感染です。
HPVのなかでも低リスク型と言われているHPV6型とHPV11型が関連していることが明らかになっています。
HPV感染の原因は、小児では主に出産時の母子感染であり、成人では性的接触によるものが多いとされています。

