子どもに多い「喉頭乳頭腫」呼吸困難を防ぐための早期発見の重要性とは【医師監修】

子どもに多い「喉頭乳頭腫」呼吸困難を防ぐための早期発見の重要性とは【医師監修】

喉頭乳頭腫の治療

喉頭乳頭腫の治療は、現在のところ根本的な手段が確立されていません。一度感染してしまったHPVに対する治療法が存在していないからです。

生じた腫瘍に対する対症療法的な治療法として、CO2レーザーなどを用いたレーザー治療が広くおこなわれています。レーザー治療が成功すると、腫瘍を比較的容易に取り除くことはできますが、喉頭乳頭腫では腫瘍が再発する可能性があります。

レーザー治療後、補助的な治療として「インターフェロン」や「シドフォビル」などの腫瘍増殖抑制作用や抗ウイルス作用を持つ薬剤を局所的に注入することがあります。
これらの薬剤は腫瘍の再発を抑制し、治療効果を高めることを目的としています。

場合によっては腫瘍を外科的に摘出する手術もおこなわれます。
しかし、子どもの場合や腫瘍が多発している場合は、完全な摘出が困難であることが多く、複数回の手術が必要になるケースが少なくありません。

また、摘出術では病変部位の丁寧な切除と正常な粘膜の保護に細心の注意を払う必要があります。
腫瘍の広がりによっては発声機能を犠牲にせざるを得ないこともあります。
治療後も、長期にわたる経過観察と再発時の迅速な対応が基本になります。

喉頭乳頭腫になりやすい人・予防の方法

喉頭乳頭腫になりやすいのはHPVに感染している人です。
特に5歳以下の小児は発症リスクが高く、症状も重篤になりやすいため注意が必要です。
したがって、HPVへの感染をできる限り避けることが、この疾患の予防法となります。

母親がHPVに感染している場合、生まれてくる赤ちゃんは母子感染する可能性があります。
成人の場合は不特定多数との性的接触、オーラルセックスを含む性行為を通じてHPVに感染するリスクが高まります。

HPV感染の予防が期待できる手段としては、HPVワクチンの接種があります。
喉頭乳頭腫の原因とされているHPV6型とHPV11型にも対応しているHPVワクチンとしては「シルガード9型」などが知られています。

HPV感染を完全に防ぐことは難しいですが、不特定多数との性行為を控えることは重要な予防策と言えるでしょう。定期的な健康診断や異常を感じた際の早期受診も、予防や早期発見につながります。


関連する病気

声帯白斑症

喉頭がん

声門がん

HPV感染症

中咽頭がん子宮頸がん膣がん

陰茎がん

外陰がん肛門がん皮膚がん

参考文献

日本耳鼻咽喉科感染症研究会会誌喉頭乳頭腫とHPV感染

小児感染免疫若年性喉頭乳頭腫の1例

厚生労働省ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~

日本耳鼻咽喉科科学学会会報喉頭乳頭腫60例の臨床統計

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。