膵臓がんを見逃さないためにできることとは
編集部
膵臓がんの早期発見のために、日常で注意すべき変化について教えてください。
澤野先生
膵臓がんの初期サインとして特に注意したいのが、50歳以降の突然の糖尿病発症や、既存の糖尿病の急激な悪化です。理由なく体重が1〜2カ月で数kg落ちる、食欲がないのに続く、脂っこい便が出る、背中や腰の鈍い痛みが続くといった症状は要注意です。また、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、尿の色が濃い茶色になる、便が白っぽくなるなどの変化も見られます。これらは単独では別の病気の可能性もありますが、複数当てはまる場合は早めに消化器内科を受診しましょう。
編集部
膵臓がんのリスクが高い人(家族歴・高齢者など)は、どのような検査を受けるべきでしょうか?
澤野先生
リスクが高い人は、通常の健康診断に加えて専門的な画像検査を定期的に受けることをおすすめします。具体的には、腹部超音波検査、造影CT検査、MRI検査(特にMRCPという膵管の詳しい検査)などです。血液検査では腫瘍マーカーも測定します。家族に膵臓がんの人が2人以上いる、慢性膵炎がある、膵臓に嚢胞があるといった高リスクの方は、半年から1年ごとの定期検査が望ましいでしょう。かかりつけ医に相談して、専門医療機関への紹介を受けることも大切です。
編集部
早期発見のために、医療機関を選ぶ際にどのような点を重視すべきでしょうか?
澤野先生
膵臓がんの早期発見には、専門的な知識と経験を持つ医療機関の選択が重要です。まず、消化器内科や消化器外科の専門医がいること、膵臓疾患の診療実績が豊富な病院であることを確認しましょう。CTやMRIなどの高度な画像診断機器が揃っていること、内視鏡を使った精密検査(超音波内視鏡検査など)ができることもポイントです。また、万が一がんが見つかった場合に、すぐに適切な治療を受けられる体制があるかも重要です。地域のがん診療連携拠点病院や大学病院などが選択肢になります。
編集部まとめ
膵臓がんはたしかに厳しい病気ですが、早期発見できれば治る可能性は大きく上がります。ステージによる5年生存率の差は、「見つかった時期」がいかに重要かを示しています。リスクのある方は症状がなくても定期検査を、少しでも気になる症状があれば迷わず受診を心がけてください。本稿が読者の皆様にとって、膵臓がんへの理解と早期受診のきっかけとなりましたら幸いです。

