正中頸嚢胞の治療
正中頸嚢胞が小さく、細菌感染などによる症状がみられない場合は、経過観察となることがあります。とくに小児期では、リンパ節炎と鑑別することが難しいケースもあり、正中頸嚢胞と確定診断されるまで経過観察となることがあります。
正中頸嚢胞は通常、自然と小さくなったり消失したりすることはありません。嚢胞が目立つ場合や大きくなっている場合、あるいは何らかの症状がある場合には、手術による摘出が推奨されます。
嚢胞に細い針を刺して液体性の内容物を吸引する処置や、嚢胞を切開して膿などを排出させる処置がおこなわれることがありますが、嚢胞の再発を繰り返すことが多いため、手術によって完全に摘出する方法が一般的な治療となっています。感染リスクを抑えるという点においても、外科的手術が効果的と考えられています。
正中頸嚢胞の手術では、嚢胞だけでなく、舌骨の一部や嚢胞と連続している甲状舌管の残存部分を含めて完全に摘出する手術法(シストランク手術)が推奨されています。正中頸嚢胞が完全に摘出できれば再発のリスクは低くなりますが、手術が適切に行われていても数パーセント程度に再発があると言われています。
患部に感染による炎症がみられる場合は、手術前に抗生物質を用い、炎症を抑えます。
正中頸嚢胞になりやすい人・予防の方法
正中頸嚢胞の発症に男女差はないとされています。
正中頸嚢胞は先天性の疾患であるため、特定の予防方法はありませんが、早期発見により適切な管理や処置が可能となります。小児期に首のしこりや腫れなどがみられた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
関連する病気
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リンパ管腫
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脂肪腫甲状腺がん甲状腺腫瘍
異所性甲状腺腫
嚢胞性ヒグローマ
リンパ節炎参考文献
一般社団法人 日本形成外科学会 正中頸嚢胞
一般社団法人日本小児外科学会 正中頸嚢胞
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 頸部の腫れ・腫瘍
日本臨床口腔病理学会教育委員会 口腔病理基本画像アトラス 甲状舌管囊胞(正中頸囊胞)

