副腎の外側の副腎皮質にできるがんです。副腎は体の恒常性を維持するためのホルモンを作っている臓器です。
副腎皮質で作られるホルモンが過剰に産出されることがあり、いろいろな症状を引き起こします。
非常にまれながんですが、生存率の低い予後不良ながんです。切除が可能であれば手術します。再発率が高いので経過観察が必要です。
詳しく解説いたします。
※この記事はメディカルドックにて『「副腎皮質がん」になると現れる症状・原因・生存率はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
磯野 誠(医師)
2006年防衛医科大学校卒業、2013年防衛医科大学校医学研究科、2015年Heinrich Heine大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)留学、 2023年所沢いそのクリニック開院
副腎皮質がんの診断・治療方法

副腎皮質がんはどのように診断するのですか?
副腎皮質で作られるホルモンが過剰な状態でないか、血液検査と尿検査で体の中のホルモンの濃度を調べます。CTスキャンやMRIなどの画像検査で腫瘍の性状や広がりを調べます。病期診断は以下の通りです。
Stage I:腫瘍の大きさが5cm以下のもの
Stage II:腫瘍の大きさが5cmを超えるが周囲への浸潤がないもの
Stage II:周囲への浸潤があるもの
Stage IV:隣接臓器への浸潤または遠隔転移があるもの
副腎皮質がんの検査方法を教えてください。
検査方法には次のようなものがあります。血液検査:血液を採取し体内の臓器や組織から血液中に出される物質の濃度に異常がないかを調べます。
尿検査:副腎で作り出されるコルチゾールなどホルモンの量に異常がないか調べる検査です。
CTスキャン:体内をいろいろな角度からX線で撮影し、コンピューターで精密な連続画像を作る検査法です。臓器や組織をより鮮明に記録するために造影剤を使用する場合があります。ベッドの上にあおむけになり、トンネル状の装置の中に入ります。検査時間は15分程度です。細かい部分が鮮明にわかるのが特徴です。がんの有無・広がり・他の臓器への転移がないかを画像で調べます。治療後の効果の判定や、再発がないかの確認にも使われます。 MRI:磁気・電波・コンピューターを使って体内の精密な連続画像を作る検査法です。造影剤を使用する場合があります。CTスキャンと同じように、ベッドの上にあおむけになり、トンネル状の装置の中に入ります。
検査時間が15分から45分程かかりますが、色の濃淡が非常に鮮明に出るのが特徴です。がんの有無・広がり・他の臓器への転移がないかを画像で調べます。治療後の効果の判定や、再発がないかの確認にも使われます。
治療方法はやはり摘出手術なのでしょうか?
転移がなくがんの広がりが完全に切除可能であれば手術を行います。場合によっては腎臓や周りの臓器を一緒に切除することもあります。術後の再発率は50~70%です。有効な薬物療法・化学療法は確立されていません。しかし術後は再発を防ぐため薬物療法を行うことがあります。吐き気・嘔吐・めまい・眠気などの副作用がありますので患者の状況を見ながら使用することが必要です。がんが手術で切除できないほど進行している場合や、他の臓器への転移がある場合は、薬物療法や薬物療法と抗がん剤との併用療法などを行います。
編集部まとめ

副腎皮質はコルチゾール・アルドステロン・テストステロン・エストロゲンといった、重要な働きをするホルモンを作っています。
副腎皮質がんはこれらのホルモンを過剰に作り出すことがあり、その影響は深刻なものです。
しかし初期においてこれといった特徴的な症状があらわれず、発見されたときには進行してしまっていることが多いがんです。
少しでも体が通常の状態と違うと思われる時は、専門の医療機関を受診して下さい。
参考文献
副腎皮質がん(希少がんセンター)
副腎皮質がんの治療(がん情報サイト)

