まぐろに含まれる栄養素は、心臓や血管の健康維持に寄与する可能性が多くの研究で示されています。特にオメガ3系脂肪酸であるEPAやDHAの働きは注目されており、日常的な摂取が推奨される理由の一つとなっています。血液の流れや脂質代謝への影響について、科学的な知見をもとに解説します。

監修管理栄養士:
中西 真悠(管理栄養士)
2020年3月女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
2020年4月株式会社野口医学研究所入社
同年よりフリーの管理栄養士として活動開始、現在に至る
・法人向け健康経営支援サービスの立ち上げと推進(新規および既存顧客への営業活動を主導)
・食と健康に関する指導プログラムの実施(延べ2000人以上を対象にセミナーや測定会を通じて個別指導を実施)
・SNSでの情報発信によるブランディング
∟ Instagramにて食と健康に関する情報を発信し、フォロワー5万人超を達成
∟ 企業のSNS商品撮影代行やレシピ開発を400件以上実施
・サプリメントや雑貨のお客様相談室にてコールセンター業務を担当
・保険調査業務の実務を担当
心血管系への健康効果
まぐろに含まれる栄養素は心臓や血管の健康維持に寄与する可能性が多くの研究で示されています。特にオメガ3系脂肪酸の働きは注目されており、日常的な摂取が推奨される理由の一つとなっています。
EPA・DHAによる血液への影響
EPAは血小板の凝集を抑制し、血中の中性脂肪値を低下させる働きが報告されています。これにより血液がスムーズに流れやすくなり、血管の詰まりを防ぐ効果が期待されます。また、DHAは血管内皮機能を改善することに関与するとされ、動脈硬化の進行を抑制する可能性が示唆されています。
複数の疫学研究では、魚介類を定期的に摂取する集団で心筋梗塞や脳卒中のリスクが低下する傾向が認められており、まぐろのような青魚の摂取が心血管系の健康に有益であることが示されています。ただし、効果の程度は個人差があり、食生活全体のバランスや運動習慣、喫煙の有無などの生活習慣も影響します。心血管疾患のリスクが高い方は、食事療法だけでなく医師の指導のもとで総合的な管理を行うことが重要です。
中性脂肪やコレステロールへの作用
オメガ3系脂肪酸は血中の中性脂肪を低下させる働きが複数の臨床試験で確認されています。中性脂肪の値が高い状態が続くと、動脈硬化のリスクが高まることが知られており、適切な管理が求められます。まぐろに含まれるEPAやDHAは肝臓での中性脂肪の合成を抑制し、分解を促進することで血中濃度を下げる方向に作用すると考えられています。
また、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす傾向も一部で報告されていますが、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)対しては、わずかに上昇させる可能性も指摘されており、さらなる検証が必要です。脂質異常症の治療や予防には薬物療法や総合的な食事管理が基本となりますが、まぐろの適度な摂取は補助的な役割を果たす可能性があります。脂質異常症と診断されている方は、主治医や管理栄養士と相談しながら食事内容を調整することが望ましいでしょう。
まとめ
まぐろは良質なたんぱく質や必須脂肪酸(DHA・EPA)が豊富で、日常の食事に取り入れやすい優れた食材ですが、メチル水銀の蓄積やアレルギーのリスクなど注意すべき点も存在します。適切な摂取量を守り、鮮度管理を徹底することで、まぐろの持つ健康効果を適切に享受できます。ビタミンCや脂質を組み合わせたバランスのよい食べ合わせや保存方法を実践し、日々の食生活に上手に取り入れることで、心身の健康維持に役立てることができるでしょう。気になる症状がある場合や、妊娠中などの特別な状況にある場合は、専門の医療機関や管理栄養士に相談することをおすすめします。正しい知識を身につけることで、まぐろは一生の健康を支える心強い味方になってくれるはずです。
参考文献
厚生労働省「魚介類に含まれる水銀について」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

