【獣医師執筆】犬の脾臓腫瘍とは?症状や検査・治療法を徹底解説

【獣医師執筆】犬の脾臓腫瘍とは?症状や検査・治療法を徹底解説

こんな症状には要注意!

診察される犬

脾臓の腫瘍の中でも緊急性の高い症状は、血管肉腫による「腹腔内出血」です。

大量の出血は命に関わりますが、脾臓の出血はお腹の中で起こるので、気付きにくいという難点があります。

また、出血が少量であれば止血・血液の再吸収などもお腹の中で見えない間におこなわれてしまうので、継続的な症状としてあらわれないことが多いです。

元気消失や食欲不振

お腹の中の出血が原因で貧血が起きると、元気や食欲が急激に落ちることがあります。ただ、このような症状は他の多くの疾患でも認められます。出血によるショックを起こしているような場合には、突然倒れたり、意識を消失してしまうようなこともあります。

粘膜の色が白くなる

出血による貧血のため、粘膜の色が白っぽくなります。一番はっきりと色を確認できるのは「口の中」でしょうか。健康な舌の色や歯茎の色などを、普段からしっかり見ておくことで、貧血時の色の変化にいち早く気付くことが出来ます。

お腹が膨らむ

大量の出血により、お腹がいつもより膨らんで感じられることがあります。急激なお腹の膨らみと上記のような症状を併せて発症しているようであれば、急いで動物病院にかかった方が良いでしょう。

腹腔内の出血は気づきにくいですが、出血が起きることで腫瘍細胞がお腹の中にばらまかれてしまい、血管肉腫の転移の可能性を大きく上げてしまいます。転移が起きると、お腹の中に新たな血管肉腫を作ることで、出血のリスクも上がり、出血のショックで命に関わる可能性が高くなります。

出血時には元気がなくても、血が止まってしまえば元気が回復することも多いです。そのため、日によって元気に波があるような場合も要注意です。回復したから様子を見るのではなく、気になる症状があれば一度検査を受けてみましょう。

早期発見するには?

検査中の犬

脾臓の腫瘍は出血がなければ他に大きな症状を起こさないため、発見が遅れがちになってしまいます。

早期発見をするには、定期的な検査を受けることをお勧めします。7歳以上のシニアの子では、腫瘍のリスクも高くなるため、半年に1回程度の検査を受けるのが良いでしょう。

血液検査

貧血がまさに起こっている時には、赤血球の減少が認められますが、出血が止まってしまえば赤血球は新しく産生され、異常値を認めないこともあります。急な貧血傾向(ヘマトクリット値や赤血球数の低下)などには気を付けましょう。

レントゲン検査

大まかな脾臓の大きさなどはレントゲンで検査することが出来ます。しかし、脾臓の中の腫瘍までしっかりと写ってくることは少ないです。

超音波検査(エコー検査)

脾臓の腫瘍を一番しっかりと見つけられる検査です。もちろん脾臓に何かしらの「できもの」が出来ているからといって、全てが悪性腫瘍ではなく、過形成の場合もあります。

小さなものであれば、定期的な検査で大きさの変化を追っていく、または針などで細胞をとってきて検査を進めることもあります。ただ、血管肉腫を疑う場合には出血やそれに伴う転移のリスクもありますので、細胞診の手順を踏まずに手術を勧められる場合もあるかと思います。

提供元

プロフィール画像

わんちゃんホンポ

犬のために、犬の気持ちを知り、犬と共に暮らす。 わんちゃんホンポは、あなたとわんちゃんの共同生活に色付けをする犬の総合支援サービスです。