うつ病の人への接し方で迷ったら

専門家に相談を促すよい方法があれば教えてください
医師やカウンセラーへの受診をすすめる際は、本人の負担にならない伝え方を心がけましょう。うつ病は病院で適切な治療を受けることで改善が期待できる病気です。専門家の力を借りることは決して恥ずかしいことではなく、むしろ早期回復への近道になります。
ただし、デリケートな問題なので、「病院に行きなよ」と一方的に指示すると、相手は責められているように感じて抵抗するかもしれません。代わりに、言葉の選び方に配慮して、優しく提案することが大切です。例えば、「疲れがなかなか抜けない状態が続いているから心配だな。専門の先生に相談してみたら少し楽になるかもしれないね」というように、うつ病という言葉を直接使わず相手の不調を心配している気持ちを伝えるとよいでしょう。そして「もしよかったら、初めての受診には私も一緒に付き添うよ」と提案してみます。こうすることで、相手は「自分を気遣ってくれているんだ」と感じ、受診へのハードルが下がるはずです。専門家への相談は回復への大事な一歩なので、相手が拒否感を示さないタイミングや言い方を選びましょう。
距離感が難しいときはどうすればよいでしょうか
うつ病の方を支えるうえで、適切な心理的距離感を保つことはとても重要です。相手を思うあまり「自分が何とかしなきゃ」と過度に介入してしまうと、支える側も心が疲弊してしまいますし、それは長続きしません。一方で、距離を置きすぎると相手に孤独感を与えてしまいます。難しいバランスですが、基本的には相手のペースに合わせて寄り添うことを意識しましょう。
何でも手助けしすぎず、でも必要なときにはサポートできる距離を保つようにします。どうしても距離感に悩む場合は、医師に助言を求めたり、家族教室や支援者の集まりなどでほかの家族の話を聞くのも有効でしょう。支える側が孤立しないことも、持続的なサポートをするうえで欠かせません。
相手を責めずに自分の気持ちを伝える方法はありますか?
はい、相手を責めることなく自分の気持ちを伝えるには、穏やかな表現をするとよいでしょう。例えば、相手の状態が心配なときに「あなたがそんなだから心配なのよ!」と言ってしまうと、相手を責めるニュアンスになってしまいます。代わりに、「私はあなたのことがとても心配だよ。大切な人だから」というように、自分の気持ちを主語にして伝えるとよいでしょう。こうすれば、「心配だ」というこちらの感情を伝えつつも、相手を非難することなく思いを届けることができます。また、もし自分の言葉が結果的に相手を傷つけてしまったと気付いた場合は、決して「そんなつもりじゃなかった」と言い訳せず、「嫌な気持ちにさせてしまってごめんね」と素直に謝ることも大切です。お互いの本音を伝え合うことは大切ですが、言い方ひとつで伝わり方が大きく変わるので、相手の立場でどう聞こえるか想像しながら言葉を選びましょう。
編集部まとめ

うつ病の方への言葉かけでは、相手の気持ちに寄り添い、安心感を与えることが何より大切です。また、言葉以外のコミュニケーションも重要です。話したくないときは黙ってそばにいるだけでも、安心感につながります。家族や友人だけで支えきれないと感じたら、早めに専門家の力を借りることも検討しましょう。うつ病は適切な対応と治療によって必ず改善が期待できる病気です。焦らず、相手のペースに合わせた温かなコミュニケーションで支えていけば、少しずつでも前向きな変化が現れてくるでしょう。言葉の力で大切な人の心に寄り添い、回復への道をともに歩んでいきましょう。
参考文献
『ご家族にできること』(厚生労働省)

