
長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『サーヤ・たけるの偏見と統計』(テレビ朝日)をチョイス。
■身長というフィルター『サーヤ・たけるの偏見と統計』
ラランド・サーヤと東京ホテイソン・たけるが、根拠のない偏見を持ち出し、実際に統計を取って検証する番組、『サーヤ・たけるの偏見と統計』。1月7日、14日、21日の深夜に放送される予定で、私が鑑賞した1月7日の放送回のテーマとなる偏見は、「身長を聞かれて170cmと答える男性、本当は168cm」というもの。
その偏見の真偽を確かめるため、制作チームは街へ繰り出したり、エキストラ事務所に依頼をしたりして、自称170cmの男性を集め、実際の身長を測っていく。街でいきなり身長を聞かれ、170と答えたら身長計が出てきて実際に測定されるのは恐怖。まったく、いかにも意地の悪い番組であるが、くだらないテーマを真面目に検証するってコンセプトは、やっぱり面白い。非常に興味深く鑑賞した。調査の様子を見守るたけるが普通に170を超えているのはちょっと嫌味だが……
私は身長が167cmだから、サバを読んで170と言うのはちょっとやりすぎ、やめておこう、という感覚があるが、確かに168cmだと、170って言っちゃうかもしれない。(いきなり身長計を取り出されない限りは)言っといて損はないし。だから、この偏見は、あながち的外れなものではないのだろうが、このサバ読みを滑稽なプライドだと笑って消費してしまうのはちょっといただけない。人間の価値として身長を持ち出し続ける世間がまず悪いのである。人のシークレットブーツを笑う前に、まず自分のくだらない物差しを笑うべきなのだ。カツラだってそうだ。みんなハゲをバカにするくせに、カツラまで笑うでしょ。じゃあどうすればいいんだい!?
自らのコンプレックスをわざわざ正当化しようってんじゃないが、人の抱えるコンプレックスは、はたして当事者だけの責任かな?社会のみんなで作り上げたものじゃないか。笑うのではなく、肯定しあい、手と手を取りあって、やっていこうじゃないか!私たちは、サバ読みを見破るのではなく、「あなたの高さが何cmだろうが、まったくもってどうでもよいことです」と言えるようにならなければならないのだ。それなのに、私は中学生の頃にテイラー・スウィフトに出会ってからずっと、身長の高い人が大好きだ。1億円で身長を10cm伸ばせるよと言われれば、必死でカネを溜めるだろうしね。人に対しても、自分に対しても、身長というフィルターをさっぱり外せる時は来るのでしょうか……。
■文/城戸

