春季カタルとは、アレルギー性結膜疾患の一種であり、学童期の男児に見られることの多い病気です。
聞き慣れない人も多いかもしれませんが、悪化すると視力の低下などを引き起こすために早期の発見と治療が大切です。
そこで本記事では、春季カタルとはどのような病気なのかをご紹介します。
治療方法についても詳しく解説するので、お子様の異常に早めに気づけるようにするためにも、特徴をしっかり把握しましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「春季カタル」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
春季カタルの治療

診断ではどのような検査を行いますか?
春季カタルで行われる検査は、主に医師による目の症状と外観の評価による診断です。現状の患者様の症状を診て、典型的な外観や症状と照らし合わせます。そして、発症時期・アレルギー歴・家族歴などをもとに、春季カタルであるかを総合的に判断します。一般的には、諸症状から診断が行われるため特別な検査が行われるケースは少ないですが、アレルギー検査などを行う可能性もあるでしょう。
アレルギー検査では、アレルギー反応を起こしている原因物質を把握します。
治療方法を教えてください。
春季カタルの治療方法としては、次のような方法が挙げられます。内科的治療
外科的治療
内科的治療としては、かゆみや炎症などを軽くする抗アレルギー点眼薬などを使用した方法です。
通常のアレルギー性結膜炎の治療と同様の薬が使われます。しかし、この薬だけでは症状が改善しないケースも多いです。その場合は、以下のような薬の使用も検討されます。
ステロイド内服薬
ステロイド結膜下注射
免疫抑制剤
症状の経過を診ながら、上記の薬を組み合わせて治療を進めます。しかし、内科的治療では効果が現れない場合や症状が進行してしまう場合には、外科的治療が検討されるでしょう。
外科的治療としては、結膜乳頭の切除や角膜プラークの切除を行います。薬の効果や手術が必要となるかなど確認を取りながら、医師としっかり相談した上で治療を進めることが大切です。
治療期間はどのくらいですか?
この病気の治療期間は、1週間~1カ月程度です。症状の度合いや原因となるアレルギー物質などによっても異なりますが、軽度の症状であれば1週間程度で症状が治まることもあります。しかし、症状が重い場合や合併症が伴う場合には、治療期間が1カ月を超えるケースもあります。さらに、アレルギー物質によっては薬による治療を継続的に行わなければならないケースもあるでしょう。薬の使用を止めると、症状が再発することがあるためです。
どのような薬を使用するのでしょうか?
春季カタルの治療薬としては、次のようなものが挙げられます。抗アレルギー点眼薬
抗アレルギー内服薬
ステロイド点眼薬
ステロイド内服薬
市販の目薬
軽度の症状の場合には、ケトチフェンなどの抗アレルギー点眼薬などの使用が一般的です。抗アレルギー点眼薬には、ヒスタミンH1拮抗点眼薬とメディエーター遊離抑制点眼薬の2種類があります。ヒスタミンH1拮抗点眼薬は、かゆみを引き起こすヒスタミンの作用を阻止してくれるためアレルギー症状を緩和してくれます。メディエーター遊離抑制点眼薬は、ヒスタミンが増えないように作用して症状緩和につながる薬です。
そのため、メディエーター遊離抑制点眼薬の使用は、症状が現れる前から使用しなければなりません。また、フェキソフェナジン・セチリジン・ヒドロキシジンなどの抗アレルギー内服薬なども、鼻や耳などにアレルギー症状が出ている場合に有効です。しかし、症状が悪化すると抗アレルギー点眼薬や内服薬では十分に改善されないことがあります。その場合は、ステロイドの点眼薬や内服薬を使用する場合もあります。
ステロイド点眼薬は、症状緩和の効果に期待できる一方で、眼圧を上げてしまったり目の感染症リスクを高めてしまったりといった副作用があるため注意が必要です。ステロイド内服薬も含め、使用する際には必ず専門の医療機関の指示のもとで用いましょう。
市販の目薬は症状の緩和だけでなく、自覚症状が現れる前につけ始める薬として有用です。クロルフェニラミンやロタノールなどがあり、かゆみや涙目などを抑える効果が期待できます。様々な薬があり種類によっては副作用などもあるため、市販のものを利用する場合であっても、必ず医師に相談した上で使用しましょう。
編集部まとめ

春季カタルは、男子児童に多い病気です。原因ははっきりとは分かっていませんが、アレルギー反応によって引き起こされると考えられています。
思春期を境に自然に治る場合もありますが、継続的に症状が現れ大人になってからも治療を続ける必要があるケースもあります。
症状がひどい場合は、日常生活や学業などにも支障が出るかもしれません。そのような支障を出さないためにも早期発見できるように、正しい情報を把握しておきましょう。
万が一、お子様に異変が生じた場合や春季カタルの疑いがある場合には、すぐに専門の医療機関を受診しましょう。
参考文献
春季カタル

