
新人営業マンが必ずぶつかる「ノルマ」という高い壁。憧れの自動車メーカーに入社した田端は、トップセールスマンを目指して気合十分だが、現実は甘くない。支店で一台も車を売れていないのは彼だけ。奮闘すればするほど空回りし、成約が取れない日々が続く。「田端、明日は売るつもり!」は、そんな彼が仕事の本質を掴んでいく成長物語だ。
■熱意が裏目に出る空回り。お客様を「見た目」で判断した手痛い失敗



作者のみこまるさんは、本作を描くにあたり実際の自動車ディーラーへアンケート調査を実施した。現場からはおもしろいエピソードだけでなく、困ったお客様やトラブル話も多数寄せられたという。なかでも第2話に登場する「軽トラに乗ったおじいさん」の話は、取材先の店長の実話がもとになっている。見た目とは裏腹に、そのお客様は驚くほどの豪邸に住む富豪だったのだ。
田端は、農作業車で試乗にきたお客様をほかの同僚に回したり、子供が泣き出しても自分の実績のために見積書作成を優先したりと、独りよがりの営業を繰り返してしまう。熱意が暴走するあまり、肝心のお客様の心が見えていなかった。
■「日本語で説明しぃや」強面のお客様との衝突で学んだ言葉の重み
あるとき、病欠した先輩の代わりに車検の引き渡しを担当した田端は、さらなる試練に直面する。「早乙女薫」という名前に似つかわしくないイカツイ男性客に対し、田端の整備説明は要領を得ない。「日本語で説明しぃや」と怒りを露わにするお客様に対し、自分がいかに勉強不足であるかを痛感させられる。
担当整備士のフォローで窮地を脱したものの、田端はこの経験から「売る」とは単なるテクニックではないことを学んでいく。先輩や整備士、そしてさまざまなお客様と触れ合うなかで、彼は少しずつ仕事の真実を見つけていく。
■初めての人でも楽しめる工夫。全6話に込められた「仕事の教訓」
本作は全6話の読み切り形式で構成されている。1カ月ごとの連載だったため、ときが空いて初めて見る読者でも楽しめるように配慮した結果だという。ディーラーの裏側を丁寧に描きつつ、最後には田端らしいパフォーマンスで「お客様と心が通じる」ことの喜びを掴み取る。
仕事とは何か、売るとは何か。田端の成長を通して描かれるメッセージは、すべての働く人の心に響くはずだ。トップディーラーたちの仕事ぶりから、彼が最後に見つけた「最も大切な答え」を、ぜひ見届けてほしい。
取材協力:みこまる(@micomalu)
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