これに先駆けて、ゆりやんさん自身が全国7都市をめぐり、本作を宣伝する“全国行脚”が行われることになり、1月6日には東京・渋谷にて出発式が開催。ゆりやんレトリィバァ監督をはじめ、前⽥旺志郎さん、鈴⽊福さん、九条ジョーさん、斎藤⼯さんといったキャスト陣も駆けつけ、イベントを盛り上げた。

■私を振ってくれた男性たちに映画で復讐します
昨年夏に完成を迎えた『禍禍⼥』の快進撃は⽬まぐるしく、これまでに世界各国22の国際映画祭に正式出品・ノミネートされ、第45回ハワイ国際映画祭では「ハレクラニ・ヴァンガード・アワード」を受賞。
カナダの第54回モントリオール・ニュー・シネマ国際映画祭ではTemps Ø部⾨の「観客賞」を受賞し、イタリアで⾏われた第8回モンスターズ・ファンタスティック映画祭では国際⻑編映画コンペティション部⾨で「最優秀作品賞」を受賞。さらに台湾の第62回台北⾦⾺国際映画祭では、⽇本⼈映画監督として史上初の快挙となる「NETPAC賞」を受賞するなど、⽇本での公開を前に海外映画祭で“4冠達成”という異例の快挙を成し遂げ、すでに世界から⼤きな注⽬を集めている。


イベントに登壇したゆりやんさんは、映画が完成し、各映画祭でも好評を博していることについての喜びを述べつつ、『禍禍⼥』を制作することになった経緯を語る。
【ゆりやんレトリィバァ】映画『禍禍女』監督のゆりやんレトリィバァです。私は映画が本当に好きで、映画監督になりたいという夢をこのような形で叶えていただけて。こちらの素晴らしい方々とご一緒させていただけたことに本当に感謝いたします。『禍禍女』は、私の実際の恋愛を元にしたホラー映画です(ここで「なんで実際の恋愛を元にしてホラーになるんですか!」と自身でツッコミを入れる)。

今まで恋愛で苦しかったこと、悔しかったこと、なんで私があんな思いしないといけなかったんだ……とか、そうした感情をですね、私を振ってくれた男性たちに対して、「恨んで、許さない、復讐してやる!」という思いに変えて。この映画で復讐してやる、さらし者にしてやる……という一心で『禍禍女』を制作しました。今日、一緒に登壇している皆さんには、そういった自分の実体験に登場する男性たちを投影して演じていただきました。そして、大変な目に遭っていただきました。それに満足しています。どうぞよろしくお願いいたします。


続いてキャスト陣が順に挨拶をしていく中、斎藤さんは「元コウテイの斎藤工です」と名乗るボケを披露。さらに「まえだまえだの斎藤工です」「薫と友樹、たまにムック。の斎藤工です」と、共演者にちなんだコンビ名、ユニット名を取り入れたボケを連発する中、「元イナズマパンティーズの斎藤工です」と名乗ると、すかさずゆりやんさんが「私がNSC(吉本の養成所)時代に熊本プロレスと組んだけど、バイトのスケジュール合わへんから……ということでネタを作る前に解散したコンビ名を言うな!」といったツッコミを入れ、会場は大盛り上がりに。

一連のやり取りを締めくくるため、MCより「ちゃんとした挨拶をお願いします!」と急かされた斎藤さんは「すみません、そうでしたね。この映画は、女性の怖さと同時に男性の無力さや無能さ、そして儚さみたいなものを感じれる最高傑作だと思いますので、ぜひ映画館でご体感ください」と話した。

■斎藤工さんに興味を持っていた時期がありました
ちなみにゆりやんさんは、カンヌ国際映画祭の会場で直接、斎藤さんにオファーをして、このたびの出演が決まった……とのことだが、前々から斎藤さんには特別な思い入れがあったという。
【ゆりやんレトリィバァ】斎藤さんには『極悪女王』でご一緒させていただいて以来、いろいろな背中を見せていただいていて。俳優としてのあり方とか、お仕事の様子とか、そして映画監督としての背中も見せていただきました。実は私、昔の話ですけど、斎藤さんに少し興味を持っていた時期がありまして。なので、そうして接する中で、私にも興味を持ってもらおうとしたんですけど、ぜんぜん響かなくて……。その時のことをずっと覚えていたので、「斎藤さんにはぜひ、この映画に出ていただいて、とにかく酷い目に遭っていただきたい」という想いでオファーさせていただきました。

そうしてイベントの後半では、ゆりやんさんと共に全国を巡る“禍禍CAR”のお披露目もあり、こちらも大盛り上がりに。
この度の出発式を皮切りに、名古屋、⼤阪、京都・奈良(※)、広島、福岡、仙台、札幌の7都市に出向き、各地で街頭演説や舞台挨拶をしながら『禍禍⼥』を宣伝してまわるという。ゆりやんさんは“全国行脚に向けての抱負”として「禍」の字を掲げつつ、意気込みを語る。
※京都と奈良でのイベントは同日に開催


【ゆりやんレトリィバァ】こちらはもちろん、『禍禍⼥』から一文字取っての「禍」なんですけども、私は今回初めて、映画監督として映画を撮らせていただきました。普段はお笑い芸人で、ピン芸人としてネタを作る時は、自分の頭の中のもの、「これが私のお笑いだ」ということで、自分の頭のアイデアだけを突き詰めていってコント作る……というのが当たり前だったんですけど、今回こうして映画を作らせてもらって、「映画は総合芸術なんだ」ということをあらためて実感することができました。

映画を作っている最中は日々感動で。自分の意見だけではない、皆の意見で、皆の脳みそでいろんなものを作って完成した時に、今までこれがMAXだと思っていたところから、さらに上の世界が見えるといいますか。まったく予想もできない、想像もできない、こんなところがこの世界にはあったのか……っていう体験を、キャストの皆さん、そしてスタッフの皆さんに支えていただいて経験することができました。このさまざまな思いが詰まった塊をですね、この禍禍しい映画をですね、全国の皆さんにぜひお届けしたいと思います。

このように熱い思いを語ったゆりやんさんは、斎藤さんから襷と数珠を受け取って“禍禍CAR”に乗り込もうとするものの、そのたびに放屁して助手席から転げ落ちるというボケを連発。ようやく乗り込むと、共演者や大勢の観客に見守られ、全国行脚へと旅立った。


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取材・文=ソムタム田井
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