ピース又吉、初の帯コメントは“世界最小”だった…直木賞作家・西加奈子が明かす裏話、読者も気になる創作の裏側「第一芸人文芸部 俺の推し本。」新春SP

ピース又吉、初の帯コメントは“世界最小”だった…直木賞作家・西加奈子が明かす裏話、読者も気になる創作の裏側「第一芸人文芸部 俺の推し本。」新春SP

「第一芸人文芸部 俺の推し本。」が1月11日(日)、BSよしもとで放送
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」が1月11日(日)、BSよしもとで放送 / ※提供写真

ピースの又吉直樹が部長を務めるBSよしもと(BS265ch※全国無料)のブックバラエティー「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(毎週日曜昼4:30-5:00)。1月11日(日)放送回には、「漁港の肉子ちゃん」「サラバ!」などで知られる作家・西加奈子がゲストで出演する。又吉が初めて書いた帯コメントの裏話、西が「信じられへんくらい面白かった」という推し本の紹介、アニメ化への携わり方など、さまざまなテーマに花を咲かせる。WEBザテレビジョンでは収録後の西にインタビューを実施。紙の本を手に取る贅沢な時間を語ってもらった。

■世にも珍しい“世界最小バーコードサイズ”となった又吉初の帯コメント

この日の収録は2026年初放送となる回で、レギュラー部員のピストジャム、ファビアンに加え、多忙を縫って又吉が久しぶりに出演。スペシャルゲストの西は、「毎回観ています」という番組のファンで、又吉とは兼ねてより交流がある間柄だ。

オープニングのブックトークでは、西が2010年に発表した「炎上する君」(角川書店)の帯コメントは、じつは又吉が書いているという意外な事実を紹介する。しかし、当時の又吉はまだ全くの無名芸人。又吉は西からの依頼を回顧しながら、結果編集者判断により、世にも珍しい“世界最小バーコードサイズ”の帯コメントになったという悲しい笑い話を披露する。

また、「又吉さんとこの話をしたかった」として、西は現代のスピード感と情報の摂取、相対的な小説(本)に流れる時間の緩やかさを話題に。又吉も西の言わんとすることを理解し、旨味だけを摂取するのと、探す楽しみから始まる本との出会いはどちらが贅沢な時間かという、とても印象的な問いが投げかけられる。

■「信じられへんぐらい面白いんです」という西加奈子の推し本

恒例の「俺の推し本」コーナーでは、西が作家デビューする前に読んだという、イギリスの女性作家ゼイディー・スミスの一冊を紹介。「信じられへんぐらい面白いんです」と口火を切ると、第二次世界大戦の戦場で出会う2人の青年を中心に動く物語に触れ、「何十年に及ぶ友情と、彼らの家族、子供たち。イギリスの多文化、いろんな立場の人たちが入り乱れて、群像劇というのも小さいぐらいのとんでもない大作」と、その魅力を熱弁。又吉たちも興味津々で聞き入っていく。

番組ではこの他、「漁港の肉子ちゃん」のアニメ化時の自身のスタンス、物語を書くときプロットは書くのか書かないのか、結末はいつ決めるのかなど、読者側にとっては気になる話題へと広がりを見せる。さらに、詩人・谷川俊太郎と共作となった最新著書「すきがいっぱい」の裏話も披露される。

「第一芸人文芸部 俺の推し本。」が1月11日(日)、BSよしもとで放送
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」が1月11日(日)、BSよしもとで放送 / ※提供写真

■西加奈子「物語によって“重さ”が違うのが紙の本のよさ」

――「第一芸人文芸部 俺の推し本。」に出演してみていかがでしたか?

西:ずっと観ていた大好きな番組なので、もうほんまに夢のような時間でした。皆さんとの話が楽しすぎましたね。

――この番組のどんなところがよいと思いますか?

西:今、本を紹介してくださるコンテンツ自体が少ないですから、書き手としてはそれだけでありがたいです。本好きの一人としても、自分が読んだことのない本を知られるのがいいですよね。皆さんが一つ一つの作品を誠実に紹介してくださるので、観るたびに読みたくなる本が増えていきます。作者としても、読者としても、とても素敵な番組やなと思います。

――又吉さんや部員の方々との会話で印象的な言葉はありましたか?

西:ファビアンさんが、以前、又吉さんが話してくれたという、「言葉が先にあるんじゃなくて、世界が先にあって、言葉がついてくるんや。そして世界は複雑や」という言葉には私もハッとしました。そういう一つ一つの言葉をちゃんと覚えていらっしゃるのも美しいし、又吉さんのその言葉もすごく素敵ですよね。

――収録中、現代のスピード感について又吉さんと話したかったとおっしゃっていました。

西: そうですね。これ、又吉さんとどうしても話したかったことです。漫才も音楽も映画もどんどん速くなっていく世の中で、小説や文学だけは変わらないスピード感。又吉さんも同じように思ってくださっているのが嬉しかったし、影響力のある人が、「小説ってすごい面白い」というのをああいう形で伝えてくださるのが本当にありがたいです。

――この番組で伝える手に取る紙の本のよさ、本屋さんの楽しさについてはどうでしょうか?

西: 大前提として、私は電子書籍も素晴らしいものだと思います。例えば本が重くて持てない方、(読み上げ機能があるため)視力の不自由な方にとっては本当に素晴らしいです。その一方で、本には“重さ”があって、やっぱり手に取って読むものではあるんですよね。これから触れる物語によって重さが違うというのが紙の本のよさ、なくしたくない大切なものだとも思っています。

収録中、“文体”のことを話しましたが、文章なのに、なんで“体”が付くんやろう?って。それはやっぱり本も体を使って読むものだからだと思うんですよ。物語の“重さ”を体感として感じられるのが、私が紙の本を好きな理由です。

本屋さんは出会いの場ですね。本屋さんによって置き方も違うし、扱っている本も違う。ベタですけど、買う予定だった本とは違う本を買ってしまうことが何度もあって、見て回るだけでも楽しい、ずっといられる場所という感じです。小説を買いに行ったけど、いつの間にか全然違うノンフィクションを買ってしまったり、写真集を買ってしまったり。そういう時間を、私はすごく贅沢な時間だと思います。

――本が読まれなくなってきた世の中、本の面白さを最後にお伝えいただけますか。

本というのは、読むだけで静かな山の中に一人でいるような気持ちになれたり、あるいはどこか全く知らない国にいるような気持ちになれるんですよね。情報に追われる今の時代、そういった静かな時間、自分だけの時間を取るのは本当に難しいと思います。だからこそ、本を読むことでそんな贅沢な時間を作って、自分の知らない場所に行くことができる本というのは、とても豊かなで素晴らしいものだと思います。

◆取材・文=鈴木康道

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