見た目・噛み心地・メンテナンスの違い
編集部
見た目や噛み心地の違いは、治療法によってどのような違いがありますか?
佐藤先生
見た目・噛み心地ともに、もっとも天然の歯に近づけやすいのはインプラントです。1本ずつ独立しているため、歯と歯の間にフロスを通しやすく、歯ぐきとの境目も自然な形態に近づけやすいのが特徴です。ブリッジは3本まとめて1つの被せ物として作とが多いため、色や形をそろえやすい利点がありますが、土台の歯に負担が集中しやすくなります。入れ歯は取り外しができる分、装着時の異物感が出やすく、硬いものを噛んだときに沈み込むような感覚が気になる方も少なくありません。総合的に見て噛み心地と清掃性を両立しやすいのはインプラントと言えるでしょう。
編集部
治療後のメンテナンスや通院頻度にはどのような差がありますか?
佐藤先生
入れ歯は使ううちに歯ぐきの形が変わるため、定期的な調整や作り直しが必要で、通院頻度は比較的多くなりがちです。ブリッジも支えている歯がむし歯や歯周病になりやすいため、定期検診と専門的なクリーニングが欠かせません。インプラントも入れたら終わりではなく、毎日の丁寧なブラッシングと歯科医院でのメンテナンスが不可欠です。一般的には3〜6カ月に1回程度のチェックを推奨しますが、本来はその方の磨き残しの量や歯周病リスクに応じて間隔を決めるべきです。どの治療法でも「治療が終わってからがスタート」という意識を持つことが大切です。
編集部
長く快適に歯を使うために、自分自身で意識すべきことはありますか?
佐藤先生
一番のポイントは痛くなってから歯科医院に行くのではなく、違和感が出る前から通うことです。多くの方は症状がはっきり出てから受診されますが、その時点ではむし歯や歯周病がかなり進行していることが少なくありません。毎日のセルフケアでは歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスの併用が重要です。加えて定期的に歯科医院で染め出しをおこない、自分の磨き残しを目で見て確認しながらブラッシング指導を受けると、ケアの質が大きく変わります。インプラント・ブリッジ・入れ歯のどれを選んだとしても、「自分の歯をできるだけ長く残す」という意識で治療とメンテナンスに向き合うことが、長期的な口腔の健康と快適な噛み心地を守る近道です。
編集部まとめ
今回の取材を通じて、治療法の選択が将来の口腔環境に大きく影響することを改めて実感しました。どの治療にもメリットと注意点がありますが、重要なのは今の状態だけでなく、10年後・20年後の健康を見据えて選ぶことが重要とのことです。歯科医師との対話を大切にし、自分のライフスタイルや価値観に合った治療法を選択することが、生涯にわたる口腔の健康につながります。本稿が、読者の皆様にとって自分に合った治療を選ぶきっかけとなりましたら幸いです。

