どんな検査で「乳がんのステージ判定」がわかる?【医師監修】

どんな検査で「乳がんのステージ判定」がわかる?【医師監修】

乳がんの治療方針を決定するには、がんがどこまで広がっているのかを正確に把握する必要があります。ステージを決定するためには複数の検査を組み合わせて行い、これらの検査結果がステージの判断材料となります。マンモグラフィーや超音波検査といった基本的な画像検査から、CT検査やMRI検査などの詳細な評価、さらには病理検査による組織診断まで、さまざまな検査が活用されます。本章では、ステージ判定に用いられる検査について詳しく見ていきましょう。

尾崎 章彦

監修医師:
尾崎 章彦(医師)

【経歴】
平成22年3月東京大学医学部医学科卒業
平成22年4月国保旭中央病院初期研修プログラム
平成24年4月竹田綜合病院 外科
平成26年10月南相馬市立総合病院外科 外科
平成30年1月大町病院 外科
平成30年7月ときわ会常磐病院(福島県いわき市) 乳腺外科

【資格】
専門:外科学、乳腺腫瘍学、災害医学、利益相反、医学教育
日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
検診マンモグラフィ読影認定
乳房超音波読影認定

ステージ判定に必要な検査

ステージを決定するには複数の検査を組み合わせて行う必要があります。これらの検査により、がんの広がりや性質を多角的に評価し、適切な治療計画を立てることができます。

画像検査の役割

マンモグラフィーと超音波検査は乳がんの診断における基本的な画像検査です。マンモグラフィーは乳房全体を撮影でき、微小な石灰化病変の検出に優れています。超音波検査は腫瘤の性状を詳しく観察でき、乳腺組織が密な若年の方でも有用です。これらに加えて、MRI検査は乳房内でのがんの広がりや多発病変の有無を評価するために行われます。

リンパ節や遠隔臓器への転移を調べるには、CT検査が有効です。胸部から腹部、骨盤まで広範囲を撮影することで、肺や肝臓への転移の有無を確認できます。骨転移の評価には骨シンチグラフィーやPET-CT検査が用いられることがあります。これらの検査にはそれぞれ利点と限界があり、検査結果は総合的に判断されます。検査の種類や組み合わせは、がんの進行度や症状により異なり、すべての患者さんに同じ検査が行われるわけではありません。

病理検査と分子診断

針生検や手術で得られた組織を顕微鏡で観察する病理検査は、確定診断に不可欠です。がん細胞の種類や悪性度、浸潤の有無などを評価します。同時に免疫組織化学染色という方法で、ホルモン受容体やHER2の発現を調べます。これらの情報はサブタイプの決定に必須であり、治療薬の選択に直結します。

ホルモン受容体の陽性率やHER2の発現レベルは数値として報告され、治療効果の予測に役立ちます。近年では遺伝子検査を用いて再発リスクをより詳細に評価する方法も臨床応用されており、化学療法の必要性を判断する際の参考情報として活用されています。ただし、遺伝子検査はすべての施設で実施できるわけではなく、費用や保険適用の条件も異なります。検査結果の解釈には専門的な知識が必要であり、担当医と十分に相談することが大切です。

まとめ

乳がんの治療は、がんそのものへの対処だけでなく、身体機能や外見、心理面など多面的なケアが必要となります。ステージに応じた適切な治療選択により、生存率は着実に向上しています。治療による見た目の変化は避けられない場合もありますが、再建やアピアランスケアなどの対策により、患者さんの生活の質を保つことが期待できます。気になる症状があれば早期に専門の医師を受診し、個別化された治療計画を立てることが大切です。医療チームと十分に相談しながら、自分に合った治療とケアを選択していきましょう。

参考文献

国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん」

日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」

厚生労働省「がん対策情報」

配信元: Medical DOC

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