【獣医師執筆】赤み、フケ、激しい痒み…13歳のダックスが皮膚リンパ腫と向き合った769日

【獣医師執筆】赤み、フケ、激しい痒み…13歳のダックスが皮膚リンパ腫と向き合った769日

暮らしを守りながら病気と向き合った「769日」の意味

カルテ

この犬の最後の数週間、サイトポイントをさらに増量しても痒みや皮疹が徐々に戻りはじめましたが、再度の投与で多くの病変は落ち着きを取り戻しました。治療による明らかな重い副作用は認められず、身体への負担を抑えながら症状を管理できた点は、飼い主にとって大きな安心につながったはずです。

最終的な死因は皮膚リンパ腫ではなく急性膵炎でした。サイトポイントとの関連は明確でなく、臨床的にも重い消化器障害を起こす証拠はないと報告されています。ただし高用量使用は承認範囲外であり、症例の蓄積が必要である点も指摘されています。

それでも、この症例が示したものは極めて大きいと言えます。皮膚リンパ腫は完治が困難であり、病気の進行を完全に止めることは難しくても、痒みを減らし、赤みを落ち着かせ、眠れる夜を取り戻す。それが犬と家族にとってどれほど重要な意味を持つかは、13歳で発症し、769日を家族と共に過ごしたこのダックスが教えてくれます。

まとめ

聴診器

皮膚リンパ腫は治療がむずかしい腫瘍ですが、症例によってはサイトポイントのような新しい治療が生活の質を大きく支えます。このダックスは痒みと皮疹を抑えながら769日を家族と過ごしました。完治が難しい病気でも、症状を和らげる治療は確かな希望になります。

(参考文献:獣医臨床皮膚科 31 (2): 89–94, 2025)

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