胃潰瘍が疑われるときに行われる検査

胃潰瘍はどのような検査で診断されますか?
胃潰瘍の診断には主に胃内視鏡検査(胃カメラ)が用いられます。胃カメラによって直接胃の中を観察することで、小さな潰瘍も見逃さず発見でき、必要に応じてその場で組織を採取(生検)して良性か悪性かを確認することも可能です。胃潰瘍の症状は胃がんなどほかの疾患と区別がつきにくいため、診断のためには内視鏡で潰瘍の有無と状態を直接確認することが重要です。なお、胃部X線検査でも潰瘍を描出できることがありますが、異常が疑われた場合は精密検査として内視鏡検査が推奨されます。そのほかの検査として、出血や貧血の有無を調べる血液検査、腹部超音波検査、CT検査などが行われることもあります。
ピロリ菌検査は必要ですか?
はい、胃潰瘍が疑われる場合や診断された場合には、ヘリコバクター・ピロリ菌の検査を行うことが一般的です。ピロリ菌感染は胃潰瘍の主要な原因であり、胃潰瘍全体の70%以上はピロリ菌によるものと報告されています。そのため、潰瘍治療の一環としてピロリ菌に感染しているかどうかを確認し、陽性であれば除菌治療を行うことが重要です。ピロリ菌に感染していると、粘膜防御機能が弱まって潰瘍が治りにくく再発もしやすくなります。ピロリ菌検査には、内視鏡検査で採取した組織による迅速ウレアーゼ試験や病理検査、尿素呼気試験、血液中の抗体検査、便中抗原検査などがあります。ピロリ菌が見つかった場合には、抗生物質と胃酸分泌抑制薬による除菌療法を行い、胃潰瘍の治癒と再発予防を図ります。
参照:『胃十二指腸潰瘍』(健康長寿ネット)
編集部まとめ

胃潰瘍は決して珍しい病気ではなく、多くの方に起こりうる身近な消化器疾患です。近年ではピロリ菌感染者の減少や胃酸を抑える薬の進歩により患者数は減少傾向にありますが、誰にでも起こりうる可能性があり、油断は禁物です。初期の胃潰瘍は自覚症状に乏しく、つい年齢やストレスのせいにして放置しがちです。しかし、そのままにすると潰瘍が進行して消化管出血や穿孔など重篤な状態を招く危険があります。いつまでも健康な胃を保つために、日頃から胃に負担をかけない生活を心がけるとともに、症状を決して放置せず適切に対処することが重要です。
参考文献
『胃十二指腸潰瘍』(健康長寿ネット)
『胃の病気(胃潰瘍)(千葉県医師会)』

