少しずつ広がる溝
7月。12月に結婚式を挙げることが決まりました。
「静江、12月に式を挙げることになったよ。絶対に来てほしいな」
「……おめでとう。うん、なるべく空けとくね」
「なるべく空けとく」。 その言葉の響きに、私は少しだけ胸がざわつきました。
かつての彼女なら「絶対に一番前で見るから!」とはしゃいでくれたはずなのに。 幸せの絶頂にいる私と、失恋の傷が癒えない彼女。私たちの間に、目に見えない薄い膜が張り始めたような、そんな予感がしていました。
あとがき:友情の「永遠」という幻想
大学時代からの絆を信じ、「ずっと一緒」だと疑わない時期は誰にでもあります。しかし、35歳という年齢は、結婚やキャリアなど人生の分岐点が剥き出しになる年齢でもあります。奈津子の幸せが、図らずも静江の孤独を際立たせてしまった残酷なコントラスト。どちらが悪いわけでもないからこそ、静江の引きつった笑顔に、読者の多くは「身に覚えのある痛み」を感じるのではないでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

