「急性硬膜下血腫」を発症するとどんな「後遺症」が残る?医師が徹底解説!

「急性硬膜下血腫」を発症するとどんな「後遺症」が残る?医師が徹底解説!

急性硬膜下血腫のリハビリ方法

急性硬膜下血腫の治療後には、後遺症の程度に応じてリハビリテーションが必要になります。命が助かった患者さんの多くは、身体的または高次脳機能的な障害を抱えるため、専門のリハビリスタッフによる訓練・治療で機能回復を目指します。
リハビリは、急性期治療が落ち着いた段階で早期に開始されます。基本的には、急性期病院での治療後に回復期リハビリテーション病棟へ転院し、そこで集中的なリハビリを受ける流れになります。リハビリの内容は、患者さんの障害に合わせて、体の機能の訓練、日常生活動作の訓練、認知機能の訓練、行動面の支援など多岐にわたります。

身体機能のリハビリ(理学療法)

運動麻痺や筋力低下に対しては理学療法士(PT)によるリハビリが中心となります。座る・立つ・歩くといった基本動作の練習を行います。バランス訓練や筋力増強訓練によって、少しでも自力で動ける範囲を広げていきます。リハビリ期間は障害の程度によりますが、発症から3~6か月が機能改善の勝負どころです。その後も小さな改善が数年にわたり続く場合があります。
リハビリの効果を最大限にするには、早期から繰り返し練習することが重要です。理学療法中は安全第一が重要です。麻痺があると転倒しやすいため、起き上がりや歩行練習の際は必ずスタッフが付き添います。ご家族は、リハビリスタッフから介助方法や住環境の整備についてアドバイスを受けてください。退院後はご家族がリハビリの良きパートナーとなり、一緒に散歩やストレッチをする、といった関わりが機能回復につながります。

言語・高次脳機能のリハビリ

言語障害に対しては言語聴覚士(ST)によるリハビリが行われます。発声練習や言葉の理解訓練、コミュニケーション訓練などを実施し、言葉の理解力と言語表現力の向上を図ります。同時に、記憶障害や注意障害など高次脳機能に対しては作業療法士(OT)や心理士によるリハビリが行われます。具体的には、パズルや計算などを用いた認知訓練や、日記を書く・買い物計画を立てるなどの実践的課題による訓練です。
リハビリ期間は長期に及ぶことが多く、入院中の数ヶ月はもとより、退院後も外来やデイケアで半年〜数年規模で続けることがあります。高次脳機能は回復に時間がかかるため、焦らずコツコツと継続することが大切です。ご家族は、根気と寛容さを持つよう心がけましょう。うまく言葉が出ないときは焦らせずゆっくり待つ、会話をするときは短くわかりやすい表現にする、といった工夫がコミュニケーションの助けになります。

日常生活動作のリハビリ

急性期を乗り越えた患者さんの目標は、最終的に元の生活にどれだけ近づけるかという点にあります。入院中から作業療法士(OT)の指導の下、食事・着替え・排泄・入浴といった日常生活動作訓練を行い、可能な限り自立できるよう練習します。
退院後は、必要に応じて訪問リハビリや通所リハビリを利用しながら在宅生活への適応を図ります。最終的に仕事への復帰や社会参加を目指す場合、主治医やリハビリスタッフ、社会福祉士と相談しながら段階的に準備を進めます。
社会復帰を焦るあまり、十分な準備期間を取らずに復職・復学してしまうと、後で支障が出る恐れがあります。医師の許可がおりるまでは無理に職場復帰せず、リハビリに専念しましょう。特に高次脳機能障害が残っている場合、職場でミスを繰り返して本人が自信を喪失するリスクもあります。復職にあたっては、勤務先と連携して短時間勤務から始める、仕事内容を調整するなどの配慮が得られるよう調整します。
ご家族や周囲の方は、患者さんの社会復帰を現実的な目線で支えてあげてください。意欲が高いのは良いことですが、できないことを責めたり無理を強いたりしないよう注意しましょう。地域の介護サービスや障害者支援制度について情報提供を受け、利用できる支援は遠慮なく活用してください。

「急性硬膜下血腫の後遺症」についてよくある質問

ここまで急性硬膜下血腫の後遺症などを紹介しました。ここでは「急性硬膜下血腫の後遺症」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

急性硬膜下血腫を発症してから仕事復帰までどれくらいかかりますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

急性硬膜下血腫からの仕事復帰までの期間は、後遺症の程度や仕事内容によって大きく異なります。軽い麻痺や軽度の高次脳機能障害のみで日常生活がほぼ自立しているような場合、早ければ発症後3か月~6か月ほどで職場復帰できるケースもあります。
一方、重度の麻痺や記憶障害などが残った場合は、リハビリに1年以上を要したり、元の職種への復帰が難しいこともあります。海外の報告では、重度外傷(急性硬膜下血腫を含む)の患者さんでも約60%は受傷から平均20か月(約1年半~2年)で仕事に戻れたとされています。
大切なのは、無理のない目標設定と段階的な復帰プランです。調子が安定して7~8割程度の回復が見られてから職場復帰するのが理想的とされています。主治医やリハビリ担当者と相談しながら、勤務先にも理解と協力を仰いで慎重に進めましょう。

配信元: Medical DOC

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