守るべき居場所─母として選んだ向き合い方
その夜、夫に打ち明けると、感情があふれた。
「謝ったけど……なんか違う気がする」
「子ども同士のことなのに、全部うちが悪いみたいで」
夫はだまって聞いてくれた。
「でも……」
少し考えてから、静かに言う。
「迷惑をかけて、不安にさせてしまったことは分かってる」
「謝罪はした。今できることは、結衣に寄り添うこと。本人も悪いと思った上でショックを受けてるから」
話していく内に見えてきた、今やらなければいけないこと。
それは、ショックを受けた結衣へのフォローだ。
私は、仕事の合間をぬって、結衣と2人で過ごす時間を増やした。一緒におかしを作り、他愛もない話をした。
「ママ、私、悪い子?」
「ちがうよ」
私は目を真っ直ぐに見て、答えた。
「まちがえることはあっても、悪い子じゃない」
くり返される自己否定的な問いかけに、私は何度も「ちがうよ」と答え続けた。
それから数日後。
「今度は、ママと一緒の時に公園に行こうか」
そう伝えると、結衣は少しだけ笑った──。
そして、ゆっくりと学校へ通うようになった。完全に元通りではない。でも、確かに前を向いている。
私は、心に誓った。
この子の居場所は、私が守る。たとえ、大人同士がすれちがっても──。
「正しさ」が子どもを守るとは限らない
大人同士の問題は、大人の理屈で片づけられる。けれど、その余波を真正面から受けてしまうのは、いつも子どもだ。
謝罪は必要だった。それでも、そのできごとが、結衣の心に「拒絶された」という傷を残してしまった。
第4話では、母親としての正しさと、子どもの心を守ることの間でゆれる真帆の姿が描かれた。答えは一つではない。けれど、“寄り添うこと”だけは、まちがいなく、子どもを前に進ませる力になる。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

