●「差別すれば儲かる構造を断ち切るべき」
差別や偏見に基づいてねつ造されたショート動画が拡散され、それを見た人が、川口に足を運んだこともないのに『実際に起きている出来事』だと思い込んでしまう。そんな状況は今も続いている。
「腹立たしいのは、ネット上でヘイトがビジネスとしてマネタイズされていることです。事実かどうかに関係なく、人は刺激的な投稿に引き寄せられる。プラットフォーマーが発信者に厳格な本人確認を求めないのは、金儲けのためには差別する自由も許容すべきだ、という本音があるからでしょう。
今、クルド人に対するヘイトは、写真や動画だけでなく、書き込みも相当ひどい。これを止めるには、差別すればするほど儲かるという事業回路を断ち切る必要があります。そのためには、差別を規制・抑制する法整備が不可欠ではないかと、個人的には考えています」
●選挙を通じて「ヘイトを容認する空気」が醸成されている
そもそもヘイトは、社会の底から自然に湧き上がるものではなく、政府や政治家、行政の姿勢によって生み出される面が大きいと、安田さんは指摘する。
「今年の参院選では、外国人政策を前面に掲げて訴える候補者が相次ぎました。選挙戦が危険なのは、候補者が公然とヘイトスピーチする状況が生まれやすい点にあります。
たとえそうした候補者に投票しなくても、街頭で繰り返されるヘイトスピーチは、人々の無意識に浸透していきます。恐ろしいのは、そうしてヘイトを容認する空気が、日本社会全体に醸成されていくことです」

