急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病の違い
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病は、いずれも骨髄の異常によって引き起こされる血液の病気です。しかし、その発症メカニズム・症状・進行速度・治療方法に大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、早期診断や適切な治療につなげることが可能です。
病態の違い
急性骨髄性白血病は、造血幹細胞が血液細胞に成長する過程で成長が停止し、白血病細胞として増殖することで発症します。発症するとすぐに症状が現れ、進行が速いのが特徴です。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の場合、発症後も数年間は「慢性期」と呼ばれる症状がほとんど現れない期間が続きます。
この時期は自覚症状がないため、自分で気付くのは難しいですが、この時期に治療を始めることで急性転化への進行を抑えられる可能性が高いです。
日頃から健康診断や血液検査を受けておくことで、万が一の場合にも早期発見につながる可能性が高まります。
進行速度の違い
急性骨髄性白血病の場合、治療を行わない状態では、2〜3ヵ月で死亡する例もあります。慢性骨髄性白血病(CML)に比べると進行速度が速く、症状も顕著です。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)は、発症しても慢性期の間はほとんど症状が現れません。およそ4〜7年かけて移行期・急性転化へと進行し、進行するにつれて症状が現れるようになります。
しかし、慢性期に治療を始めることで、通常の日常生活を送ることができるケースも少なくありません。
症状の違い
急性骨髄性白血病は発症するとすぐに貧血の症状が現れ、出血症状も伴います。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の場合は、発症しても初期には症状がほとんど現れず、病状が進行するまで自覚症状がないことが多いです。
発症してしばらくは慢性期であり、その後移行期を経て急性転化に進行すると、慢性骨髄性白血病(CML)も急性骨髄性白血病とほぼ同じ症状が現れるようになります。
予後の違い
急性骨髄性白血病の予後は年齢によって異なりますが、65歳未満の患者さんの場合、およそ80%が完全寛解に達します。そのうちの約40%が治癒の可能性があるとされています。
65歳以上の場合、完全寛解率は60%台に留まりますが、再発率が高く、治癒はあまり期待できません。
一方、慢性骨髄性白血病(CML)の予後は、イマチニブの開発により劇的に改善されました。慢性期に治療を始めた場合、85%の患者さんが急性転化を防ぎ、長期生存が期待されています。イマチニブが治療に導入されてからまだ約10年と歴史は浅いですが、今後の治療結果に注目が集まっています。
さらに、イマチニブ以外の薬剤や造血幹細胞移植などの治療も効果を上げており、慢性骨髄性白血病(CML)は90%が長期生存できる病気になりました。
急性骨髄性白血病・慢性骨髄性白血病の治療方法
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病は、それぞれの病態に合わせた治療が必要です。ここでは、各疾患の治療法とその特徴について詳しく解説します。
急性骨髄性白血病の治療方法
急性骨髄性白血病の治療は、症状をコントロールすることではなく、治癒を目指して行われます。マウスの実験から、白血病細胞を一つ残らずすべてを殺さなければ、白血病を完全に治すことはできないことがわかっています。
白血病の治療に有効な方法は以下の3つです。
薬物療法
化学療法
造血幹細胞移植療法
治療には強力な化学療法が用いられることもあり、現在の治療法では高齢者には負担が大きい場合があります。そのため、年齢によっては、治療の目的を治癒ではなく症状のコントロールに切り替えるケースもあります。
慢性骨髄性白血病の治療方法
慢性骨髄性白血病(CML)の治療において、イマチニブが使用されるようになってからは、イマチニブが慢性骨髄性白血病の治療の第一選択肢となっています。
現在では保険適用も認められており、イマチニブが開発される以前に使用されていたインターフェロンや造血幹細胞移植は、イマチニブが効かなかった場合にのみ用いられる治療法となっています。
慢性骨髄性白血病(CML)の場合、急性転化すると急性骨髄性白血病よりも抗がん剤が効きにくい傾向があるため、急性転化を防ぐために治療を継続することが大変重要です。

