箱根駅伝の後に残ったもの『駅伝ロス』のなかで考えた、つないでいきたい想い

箱根駅伝の後に残ったもの『駅伝ロス』のなかで考えた、つないでいきたい想い

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

駅伝ロスという幸せ

今年の箱根駅伝もドラマがありました。

私も二日間、朝からテレビで観戦、ご縁のある青山学院大学が1区で16位という衝撃に、まさかシード権を落とすなんてこと…と悲観的に。

まさか16位から挽回するとは思えなかったのですがどんどん順位を上げ、最後は黒田朝日選手がひょいひょいと國學院、中央大、早稲田を抜いて往路優勝。

ドラマのような、漫画のような展開に観ていた人は全員びっくりしたと思います。

声援を送る人の写真

SNSを見ていたら『駅伝ロス』という言葉を見つけました。

國學院大学出身の歌手、相川七瀬さんもインスタグラムで「完全に駅伝ロスです」とコメントし、Yahoo!ニュースなどにも取り上げられていました。

ロス…わかる気がします。私もついYouTubeなどでダイジェストやインタビューなど何度も観てしまいました。

スマホを見る人の写真

人が東京から箱根まで走っていく。

父が毎年観ていた駅伝を、若い頃は(ありえない)(何が面白いのだろう)と思ったものでした。

いつの頃からか、楽しみになるようになり、今ではちょっとした駅伝ロスです。

父と娘の写真

駅伝は日本独自の競技で、他国にはないものだそうです。

走るときは一人だけれど、チーム一体となり箱根まで『襷をつないでいく』というのが、日本人の気質に感動を与えるのかもしれません。

それがまだ大学生たちであり、高校野球と同じように親心のような気持ちで応援してしまう。

この舞台に至るまでのドラマがあり、一人一人のドラマがある。

それを中継ではアナウンサーが時には家庭の事情まで紹介するので、走る姿がさらに健気に見えてくるのです。

選手の写真

2015年、青学の原監督が「今年はわくわく大作戦で!」と監督たちの記者会見かで宣言したとき、隣にいたある大学のベテラン監督は(何バカなこと言ってるんだ?)と呆れたような表情をしていました。

レース中、その監督は選手に過剰なプレッシャーを与えるような声かけをしていました。

わくわく大作戦で青学は優勝、このとき時代の変化を感じたことを覚えています。

ポジティブに、明るく、良いところを伸ばす、楽しくモチベーションを上げる…ユーモアも力になることを原監督は示してくれたように思います。

襷の写真

相川七瀬さんのように母校愛が募るのも箱根駅伝ならではのこと。

我が家も両親、甥、娘の母校、ご近所の大学が出場していたので、観戦に力が入りました。

私も少々駅伝ロスですが、それだけ感動したものに出会ったのは幸せなことですね。

襷をつないでいく。

私たちはどんな襷を次の世代につないでいくのか、そんなことも考えながら新年を寿いだ二日間でした。

作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー

※記事中の写真はすべてイメージ


[文/吉元由美 構成/grape編集部]

配信元: grape [グレイプ]

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