パーキンソン病の重症期の予後

パーキンソン病の重症期では合併症リスクが高まります。誤嚥性肺炎や栄養障害などが予後に大きく影響し、個人差があるものの生活の質維持が大切です。
パーキンソン病で寝たきりになった後の経過
パーキンソン病で寝たきりになった後の経過は、合併症や全身状態によって大きく左右されます。寝たきり後は嚥下障害や誤嚥性肺炎、栄養障害、脱水、腸閉塞、腎機能障害などの合併症リスクが高まるため、生活や医療・介護の質が予後に直結します。
また認知機能障害や精神症状、自律神経障害が現れることもあり、日常生活の自立が困難です。全員が急速に寝たきりになるわけではなく、個々の進行速度や対応によって経過は違います。適切な支援と合併症予防が大切です。
重症期に注意すべき合併症
パーキンソン病の重症期に注意が必要な合併症は、誤嚥性肺炎、栄養障害、転倒、骨折、認知症、うつ状態、便秘、起立性低血圧、褥瘡、感染症などが挙げられます。特に誤嚥性肺炎は食べ物や唾液が気管に入ることで起こり、死亡原因の上位を占めます。転倒による大腿骨骨折は寝たきりの直接的なきっかけとなることが少なくありません。また、認知症やせん妄、うつ症状も進行とともに多くみられ、日常生活や予後に大きな影響をおよぼします。起立性低血圧や便秘、褥瘡、感染症も注意すべき合併症として知られています。
パーキンソン病の治療とリハビリ

パーキンソン病の治療は、主にドパミン神経細胞を補う薬物療法(L-ドパなど)や、症状や生活機能改善のためのリハビリテーションが基本です。
パーキンソン病の治療法
パーキンソン病の治療法は多岐にわたりますが、主に薬物療法、デバイス補助療法、手術療法、リハビリテーションが組み合わされます。薬物療法の中心はレボドパ(L-ドパ)製剤で、脳内のドパミン不足を補うことで運動症状を改善します。ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害剤、COMT阻害剤、抗コリン薬、アマンタジンなど症状や副作用を考慮して複数の薬剤を使い分けます。
長期間服用でウェアリングオフやジスキネジアなどの副作用が現れる場合は、薬剤の調整や補助薬の追加が必要です。薬物で症状管理が困難な場合や運動合併症が強い場合、デバイス補助療法や外科療法が検討されます。脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation:DBS)は脳内に電極を入れて電気刺激を行い症状を改善するもので、国内でも保険適用となっています。また、レボドパ・カルビドパ配合経腸用液療法(Levodopa-Carbidopa Intestinal Gel:LCIG)や持続皮下注による治療も可能です。近年はiPS細胞による再生医療も研究が進み、今後の選択肢として期待されています。
参照:『世界トップクラスのパーキンソン病iPS細胞バンクを背景に根本的治療薬の開発を目指す! – Juntendo Research』(順天堂大学)
パーキンソン病のリハビリ
パーキンソン病のリハビリは、運動機能の維持・日常生活の自立支援を目的として理学療法、作業療法、言語療法など多岐にわたります。ストレッチや筋力トレーニングで筋肉の固縮予防や姿勢保持、歩行練習を行い、体力低下を防げるよう有酸素運動も重要です。起き上がり、立ち上がり、座るなどの基本動作練習、階段の昇降、トイレや入浴の動作訓練を通して生活動作の維持・安全性の高い移動を目指します。さらに呼吸訓練や嚥下練習、発声・構音訓練も取り入れ、併発症の予防やコミュニケーション力の向上に役立ちます。薬効が現れている時間帯(ON時)に合わせてリハビリを行うことで運動症状が改善しやすく、長期間続けることで歩行速度や筋力、バランス能力が維持できると報告されています。各種リハビリは専門家の指導のもと、個々の症状や生活環境に合わせて適切なプログラムを選ぶことが大切です。
参照:『パーキンソン病のリハビリテーション』(宇多野病院)

