インフルエンザの感染防止のためにできること

熱なしでもほかの人に移してしまう可能性はありますか?
熱がなくても他人にうつす可能性は十分にあります。インフルエンザウイルスは発症する1日前からすでに体内で増殖・排出が始まっており、症状が出ていない潜伏期間中や無症状のまま経過した場合でも周囲に感染を広げることがあるのです。
実際、インフルエンザに感染しても軽症または無症状のまま回復する人が一定数おり、本人が気付かないうちに感染源となっているケースも報告されています。特に小さなお子さんや高齢の方がいる家庭では、たとえ本人に熱がなくても感染対策をしっかり行うことが大切です。インフルエンザと診断された場合は、熱の有無に関わらず学校や職場を休み、周囲へうつさない配慮をしてください。厚生労働省も「インフルエンザと診断されたら、発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまでは自宅で療養する」よう呼びかけています(学校保健安全法の出席停止基準)。熱が下がっていても体内にウイルスが残っているうちは他者に感染させるおそれがありますので、完全に治るまでは油断せず自宅で静養しましょう。
インフルエンザの感染拡大を防ぐ方法を教えてください
インフルエンザの予防と感染拡大防止には、以下のような対策が効果的です。
流行前のワクチン接種
手洗い・消毒の徹底
マスク着用・咳エチケット
適度な湿度の維持
十分な休養と栄養
人混みや繁華街への外出を控える
これらの対策を組み合わせることで、インフルエンザの感染を予防し、周囲への広がりも抑えることができます。特に家庭内で感染者が出た場合は、看病する方もマスクをつけ、部屋を分けたり定期的な換気をするなどの工夫をしてください。インフルエンザは患者さん本人が休むことも社会全体への感染拡大防止につながります。焦らずゆっくり休養し、完治するまで無理をしないようにしましょう。
編集部まとめ

熱が出ないインフルエンザは見逃しやすいため要注意です。高熱がないからといって油断すると、周囲に感染を広げてしまうおそれがあります。特にお子さんやご高齢の方がいる家庭では、熱がない風邪だと思ったら実はインフルエンザだったということも起こりえます。本記事で解説したように、熱以外の症状や周囲の流行状況に目を配り、必要に応じて検査を受けることが大切です。インフルエンザと診断された場合は、たとえ軽症でも適切な治療と十分な休養をとりましょう。
参考文献
『インフルエンザQ&A(令和6年度)』(厚生労働省)
『NewYork-Presbyterian Hospital. Influenza (Flu): Symptoms & Causes.』(Centers for Disease Control and Prevention)
『学校におけるインフルエンザ出席停止期間』(東京都教育委員会)
『Clinical Signs and Symptoms of Influenza』(CDC)
『一般社団法人日本感染症学会提言 抗インフルエンザ薬の使用について』(日本感染症学会)

