足の動脈硬化には、どのような初期症状があるでしょうか?
足の血管が詰まると足の感覚が鈍くなり、患者さん自身が気付かないうちに症状が進行するケースが少なくありません。
動脈硬化が進行すると、足を切断せざるを得なくなったり、心筋梗塞などの致命的な症状を合併したりする可能性が高くなります。
早期治療で症状の進行を防ぐためにも、動脈硬化の初期症状を見逃さないようにしましょう。
本記事では、足の動脈効果の初期症状や原因・予防方法を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「動脈硬化」を発症すると「足にどんな初期症状」が現れるかご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
吉川 博昭(医師)
医学博士。日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔科学会専門医・指導医。研究分野は、整形外科疾患の痛みに関する予防器具の開発・監修、産業医学とメンタルヘルス、痛みに関する診療全般。
下肢閉塞性動脈硬化の初期症状と原因

初期症状にはどのようなものがありますか?
下肢閉塞性動脈硬化の代表的な初期症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)とよばれる歩行の障害です。歩いているときに足底やふくらはぎに痛みが生じ、安静にすると痛みが引きます。症状が進行するにつれて、痛みが生じる感覚が短くなるのが特徴です。下肢閉塞性動脈硬化は、初期にはほとんど症状がないまま進行していくことも少なくありません。足のしびれや足先の冷えを感じる場合もありますが、糖尿病や神経の炎症など別の病気の可能性もあるため、詳しい検査が必要です。
下肢閉塞性動脈硬化症が進行するとどうなりますか?
下肢閉塞性動脈硬化が進行すると、安静時でも慢性的な足の痛みが続くようになります。じっとしていても足が痛み、日常生活や睡眠に支障をきたすことも少なくありません。さらに症状が進行すると、血流の悪化によって細胞に酸素や栄養が供給されなくなります。血流が少なくなると足先の感覚も鈍ってくるため、外傷や細菌感染があっても気が付かないケースも少なくありません。細胞が壊死したり感染症が悪化したりして治療が難しくなると、足を切断せざるを得ない場合もあります。下肢閉塞性動脈硬化が起きている場合、下肢以外の脳血管や心血管でも動脈硬化が進行している可能性が高いでしょう。下肢閉塞性動脈硬化の進行とともに、心筋梗塞や脳梗塞など致命的な病気を発症するケースは少なくありません。足の動脈硬化の症状がある患者さんが適切な治療を受けなかった場合、5年後には30%の方が命を落とし、4%の方は足を失うという報告もあります。
下肢閉塞性動脈硬化症の原因を教えてください。
下肢閉塞性動脈硬化は生活習慣病の一種で、ほかの生活習慣病と合併しているケースが少なくありません。下肢閉塞性動脈硬化を含む生活習慣病のリスクが高まるのは、主に以下のような原因があります。加齢
喫煙
飲酒
運動不足
食生活の乱れ
血管の弾力は、誰であっても加齢によって少しづつ失われていきます。喫煙や飲酒は毛細血管を収縮させ、動脈硬化を早めてしまう大きなリスク要因です。また、運動不足や食生活の乱れも、動脈硬化をはじめとした生活習慣病の原因となります。
下肢閉塞性動脈硬化症になりやすいのはどのような方ですか?
下肢閉塞性動脈硬化になりやすいとされているのは、主に以下の5つに当てはまる方です。喫煙歴がある
閉経している
透析を受けている
心筋梗塞や脳梗塞の既往歴がある
糖尿病・高血圧症・脂質異常症がある
足の動脈硬化は男性に起こりやすいといわれていますが、閉経した女性もホルモンバランスの変化によって動脈硬化を生じやすくなります。また、すでに心血管や脳血管の動脈硬化を経験している方は、足の動脈硬化を合併する可能性があるため注意しましょう。糖尿病や脂質異常症など、生活習慣病の治療を受けている方もリスクが高くなります。足の動脈硬化でも全身の病気と考え、全体的な生活習慣の見直しが大切です。
編集部まとめ

足の動脈硬化である下肢閉塞性動脈硬化の初期症状や、治療法を解説してきました。
動脈硬化は代表的な生活習慣病で、適切に治療しなければ心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる事態になる場合も少なくありません。
また、足が壊死して失うことになると、生活の質が大きく低下してしまいます。
足を切断した患者さんのうち、30%が2年以内に死亡しているという報告もあり、早めの治療で足を守ることは命を守ることにもつながります。
足のしびれや歩行時の痛みを感じたら、早めに近くの医療機関に相談しましょう。
参考文献
動脈硬化|厚生労働省
末梢動脈疾患って?|日本血管外科学会
下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療について|東京大学医学部附属病院血管外科

