夫にはこわくて話せない…
あの時、不安でたまらなくて、母にもらした一言…。
それを「お祓いの材料」にされた時の絶望感を、母はみじんも理解していません。私の弱みを、宗教の正しさを証明するための道具として使われたような、うら切られたような気持ち…。
「写真は勝手に送らないでって言ったよね……」
「結果的に良くなったんだから、感謝しなさい。すみれ、あなたももう母親になったんだから、この子のために、何が一番大切か…もう一度、よく考えなさい」
一方的に電話を切られ、私はくらい部屋で立ち尽くしました。母のことはきらいになりたくない。でも、電話が来るたびに、私の平穏な生活が侵食されていく。
「おーい、すみれ? 寝た?」
ろうかから、新平の声が聞こえます。私はあわてて涙をぬぐい、むりやり笑顔を作りました。
「……うん、今、寝るところ」
新平…もし、彼にすべてを話したら、彼は私の家族をどう思うだろう。
さげすまれるのではないか…。美鈴を守るために、私と距離を置くのではないか。そんな恐怖が、私の口をかたく閉ざさせていました。
あとがき:踏みにじられた心の聖域
弱っている時に差し伸べられる手が、必ずしも救いとは限りません。
自分の不安を、「お祓いの材料」にされた すみれさんの絶望は、計り知れないものです。親にとっての正解が、子にとっての正解とは限らない…。信じたいものを信じる自由はあっても、それを他者に強要した瞬間、それは、愛ではなく「支配」へと変貌してしまいます。
新平にウソをつき続けている すみれさんが、秘密を抱えきれなくなってきているのが伝わってきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

