謝罪をきっかけに、関係が断たれ、結衣は強いショックから登校を拒否するようになった。真帆は、母として結衣に寄り添い、少しずつ心を立て直していく。一方、沙良も理由を知らされないまま、「遊んではいけない」と言われ、結衣たちと距離を置くことになる。
結衣の心─「拒絶された」と思った日から
この町に引っ越してきて、学校の外に友だちができたのは、はじめてだった。
公園で遊ぶ時間は、学校とは少しちがっていて、沙良ちゃんと一緒にいるとワクワクした。毎日、会うのが楽しみだった。
沙良ちゃんは、いつもお母さんと下の子と一緒に公園に来ていた。一緒に遊んだり、おかしをもらったり──私にとっては、それが、まるで家族以外の家族がいるみたいで、胸の奥があたたかくなった。
でも、あの日。
ママと一緒にあやまりに行った日から、全部が変わった。
(迷惑だったんだ)
そう思った瞬間、胸の中がぎゅっと苦しくなった。
もう、話しかけちゃいけない──
そう決めた。
ショックで学校をしばらく休んだけど、ママと過ごすうちに何とかまた通えるようにはなった。
だけどあの日から、もう公園には行かなくなった。
学校はちがうけど、毎朝、登校する時に沙良ちゃんとは顔を合わせていた。だけど、沙良ちゃんに会わないように時間をずらしたり、下を向いて歩いた。
(会ってイヤな顔されたらどうしよう……)
(また怒られたらどうしよう……)
そんな不安がずっと胸に引っかかったままだった──。
沙良の心─理由を知らされなかった「別れ」
結衣ちゃんたちと遊ぶのは、楽しかった。
自分からは言えないことも、結衣ちゃんが自然に引っ張ってくれて、知らない遊びをたくさん教えてくれた。
少しだけ、ついていけない時もあったけど、イヤじゃなかった。だから、あの日のことは、びっくりした。
「ごめんなさい」
そう言われて、何が起きたのか分からなかった。
その日から、結衣ちゃんたちは公園に来なくなった。
「もう、あの子たちとは遊ばないで」
ママはそう言った。
理由は分からなかった。でも、逆らえなかった。
朝の通学路。いつもなら結衣ちゃんたちと会って、放課後の遊ぶ約束をするのに…。あの日から、ひよりちゃんしか見なくなった。
ひよりちゃんに結衣ちゃんのことを聞くと、「落ち込んでて、お休みしてるの」と教えてもらった。胸の奥がズキッと痛んだ。
(どうしよう、私のせいだ……)
そんなふうに思った。あやまりたいと思った。だけど、私と会ったらイヤな気持ちにさせてしまいそうで、どうしたらいいのか分からなかった。
そんな私にできることは、また結衣ちゃんに会えることだけを密かに祈りながら、いつもの通学路を通ったり、公園で遊んだりすることしかなかった。
また会いたい──ただ、それだけだった。

