「子どもの身長が伸び悩んでいる」「もっと伸びないだろうか」。そんな不安を抱いたとき、どの診療科でどんな検査を受けるべきか迷う人も多いのではないでしょうか? そこで、白山かわはら整形外科の川原昭久先生に、低身長治療について、受診から治療までの流れを詳しく聞きました。
≫ 【1分動画でわかる】子どもの「身長が伸びない…」 何科へ行けばよい?相談先を医師が解説

監修医師:
川原 昭久(白山かわはら整形外科)
福島県立医科大学医学部卒業。その後、昭和大学藤が丘病院(現・昭和医科大学藤が丘病院)整形外科入局。東戸塚記念病院、横浜新都市脳神経外科病院、横浜旭中央総合病院、海老名総合病院、山梨赤十字病院、戸塚共立リハビリテーション病院(現・戸塚共立いずみ野病院)、相模野病院などで研鑽を積む。西新宿整形外科クリニック院長を経て、白山かわはら整形外科を開院、院長となる。日本整形外科学会専門医。ロコモアドバイスドクター。
「低身長」の基本を医師が解説!
編集部
身長の伸び方にはどんな要因が関係しているのですか?
川原先生
身長は遺伝的な影響が大きいですが、生活習慣も密接に関係しています。睡眠、栄養、運動、ストレスの度合いなど、ホルモン分泌に影響する要素はたくさんあります。同じ家族でも成長の差が出ることがあるのはそのためです。
編集部
どのくらい低いと「低身長」と診断されるのですか?
川原先生
同年代・同性の平均より明らかに低く、平均値より−2SD(標準偏差)以上下回る場合は低身長と言えます。また、成長期にあるにも関わらず、成長率が著しく低いケースも低身長が疑われます。
編集部
病気が隠れていることもありますか?
川原先生
多くは体質的なものですが、成長ホルモンの分泌異常や甲状腺の機能低下、染色体異常、骨の発育障害などが原因のケースもあります。生活習慣や栄養不足が関与する場合もあり、総合的な判断が必要です。成長曲線を見て、同学年の子より明らかに背が低い、あるいはここ1年でほとんど伸びていない場合は早めに医療機関に相談することをおすすめします。
編集部
何科を受診したらよいのでしょうか?
川原先生
かかりつけの小児科がある場合は、まずはそちらで相談してもよいかと思います。そうでない場合は、「低身長治療」を謳っている小児内分泌科を受診することをお勧めします。
初診でおこなう検査と診断のプロセス
編集部
医療機関ではどんなことをするのですか?
川原先生
まずは母子手帳や学校での身長記録をもとに、成長曲線を作成します。問診では生活リズム、食生活、家族の身長や既往歴などを伺い、全体的な傾向を把握します。その上で身体測定や検査をおこない、成長について確認します。
編集部
どのような検査をするのですか?
川原先生
血液検査で成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどを測定します。レントゲンでは、骨端線が閉じているかどうかを調べます。
編集部
その後の流れはどうなりますか?
川原先生
当院の場合、初診からおよそ1週間後の再診で結果をお伝えします。検査結果と成長曲線をもとに、成長ホルモン治療の適応があるかを判断します。
編集部
治療についても教えてください。
川原先生
医師が診断・適応について確認し、成長ホルモン治療を始める場合は注射の指導をおこないます。必要に応じて亜鉛などの栄養補助もおこないます。治療を開始した1カ月後にフォローアップの診察をおこない、順調であれば3〜4カ月ごとの経過観察に移ります。

