■「加害生徒にも未来がある」とコメントした学校側の対応に


今回のエピソード、教育について切り込む『加害者擁護教師とコメンテーターエンドウさん』では、教師が「加害生徒にも未来がある」と加害生徒を擁護する発言をした。しかし、エンドウさんは、「あやまちと罪を自覚させ、まっとうな未来を歩かせるのが正しい教育では?」と訴える。隠蔽体質な学校の教育方針について切り込む話題作だ。

また、『いじめケアとコメンテーターエンドウさん』では、「被害者の心のケアを優先する」と言った学校に対して、「治療すべきは、あんな残虐な行為を平気でしでかした、加害者の方」という。加害者はそのまま学校に行き、被害者が学校に行きづらく不登校や転校するなど環境の変化をせざるを得ない状況を指摘する。本作は数年前に制作されたものだが、時代が変化しても、学校の対応はあまり変わっていないのではないだろうか。
■作者の意見と真逆なことをエンドウさんが言い出すことも多い

コメンテーターエンドウさんが生まれたきっかけは、「7年ほど前にSNS投稿用に『もし忖度なしで凝り固まった定形のやりとりを無視するコメンテーターがいたらどうなるだろう?』という想定で描き始めました。いわゆるシミュレーションに近い形でスタートしており、実は今でもこれはあまり変化していません」と、洋介犬さん。

SNSにあがるトレンド以外にも、キラキラネームやいじめなどの社会問題にも切り込む。「実はこの漫画はキッチリとした筋立てを用意しているわけではなく、テーマに沿ってエンドウさんやケンジロンがどう答えるか、アドリブで出た結果を整理している感じで描いています。建付けとしては『監督と演者』に近いかもしれません。よく『作者は自分の思想をキャラに言わせているだけ』という批判をされることがありますが、そもそもそういうシミュレーションで成り立っているので、作者の意見と真逆なことをエンドウさんが言い出すことも多く、彼の思想は僕のそれとイコールではありません」と、漫画制作の裏側も語る。
■問題提起に対し、それぞれのなかで正解を見つけてほしい

エンドウさんの意見に対して、読者からさまざまな意見が出るのも本作の見どころだ。「作中でエンドウさんが言っているように、議論の完成や目標は決して『どちらかの勝利』などという矮小なものではないと思います。『結果としてみんなにとってよい結論が出る』が最上であり、そこに個々人のメンツなど関係はないかと。そういう意味で多種多様な意見が寄せられ、考え、研磨して生活に持ち帰れればそれが一番よいのではないでしょうか」問題提起に対し、正解をそれぞれのなかで見つけられるといいと話す。
取材協力:洋介犬(@yohsuken)
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