●企業側に問題がある場合も
ごくごく個人的な意見ですが、「残業キャンセル」イコール「やる気のない従業員」、という図式は(そういう場合もあるのでしょうが)ちょっと単純化しすぎであるように思います。
最初に書きましたが、本来残業は例外的に認められるものです。残業しなければ終わらない業務量が常態となっているのであれば、それは業務量の設定がおかしいのであって、企業側が改善すべきです。
また、会社全体の業務量が多く、処理しきれないことがあるのはたしかですが、常に慢性的な人手不足に陥っているのであれば人員を補充するなり、非効率的な業務を改善するなりすべきです。
企業側がそういった労働環境の改善のための努力を何らせず、「人が足りないから」「業務が回らないから」などとして漫然と残業を命じ続けることは大いに問題だと考えます。
「残業キャンセル界隈」という言葉が、労働環境に関する問題を労働者個人の問題に矮小化してしまわないように注意すべきだと思います。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

