●精子提供は専門的な医療機関で
──個人間の精子提供は、やはり避けるべきなのでしょうか。
第三者による精子提供、いわゆる「精子ドナー」については、2021年に施行された民法の特例法により、特定の医療機関で生殖補助医療としておこなわれた場合に限って、精子提供者が法律上の父親とならない仕組みが整えられています。
精子ドナーを利用する条件や、提供者となるための条件は、専門的なガイドラインに沿って対応されるため、個人が任意におこなえるものではありません。
専門的な医療機関で適切な手続きを踏めば、親子関係をめぐるトラブルは防げます。一方で、個人間で安易に精子提供をおこなった場合、後々の紛争を防ぐことは難しく、絶対に避けるべきです。
生殖補助医療(ART)は年々普及しており、街中でARTを扱うクリニックを見かける機会も増えてきました。日本産科婦人科学会の調査によると、生まれてくる赤ちゃんの10人に1人は、ARTを利用して生まれてきたとも言われています。
親が誰なのかという問題は、生まれてくる子どもの人生を左右します。子どもに不幸な思いをさせないためにも、専門機関を介さずに個人の判断で安易な行動を取ることは、絶対に控えるべき場面だと言えるでしょう。
【取材協力弁護士】
古関 俊祐(こせき・しゅんすけ)弁護士
江戸川区出身。2009年3月、中央大学法学部卒業。2011年3月、明治大学法科大学院修了。 同年9月、司法試験合格。2012年12月、弁護士登録(東京弁護士会所属)。2017年、新小岩法律事務所開設を経て弁護士法人HAL代表弁護士に就任。
事務所名:弁護士法人HAL秋葉原本部
事務所URL:https://hallaw.jp/

