教師による「指導」はなぜ16歳の命を奪ったのか…吹奏楽部で起きた「指導死」、姉が語った12年後の真実

教師による「指導」はなぜ16歳の命を奪ったのか…吹奏楽部で起きた「指導死」、姉が語った12年後の真実

●部内で孤立→顧問から指導

3年生部員の引退後、悠太さんは1年生のリーダーを任された。しかし、それをきっかけに部内で孤立し、悩んで部活を休みがちになった。担任にも相談しながら、一度は退部も考える。

「演奏会に見に行き、自分の気持ちを確かめた結果、復帰したいと思ったようです」

復帰にあたり、悠太さんは部員に「お疲れ様。課題もあったけど、また頑張ろう」といったメールを送った。

しかし、これに一部の部員が反発し、悠太さんが参加していないLINEグループで悪口を書き込むようになる。そこで話し合った内容がメールで悠太さんに伝えられたことで、トラブルが拡大した。

LINEグループ内のやりとりは考慮されず、メールの内容だけが学校に伝えられたため、悠太さんだけが指導を受けることになった。

顧問は「吹奏楽部の汚点」と位置づけ、学校は悠太さんに5つのテーマで反省文を書くよう命じた。さらに顧問は、部員全員への謝罪と、連絡網以外でのメール禁止を部活継続の条件とした。

「私は『学校、おかしくない?そんなの書かなくていいし、もう部活辞めちゃえば?』と言いました。悠太は『自分が言い過ぎたのは確かだから、本当に辞めさせられなくてよかった』と言って、反省文15枚を書き、みんなの前で謝罪しました」

その姿を見て、はるかさんは、悠太さんにとって、部活がどれほど大切な存在だったかを痛感したという。

●崩れていく人間関係

しかし、一度壊れた人間関係の修復は容易ではなかった。

後にわかったことだが、部内で「悠太を続けさせるかどうか」を話し合うミーティングが開かれていたという。「切り捨てるのはよくない」と発言した先輩がおり、最終的に部に残すことになった。

しばらくして、同学年の男子部員2人とは関係が修復できた。悠太さんは「隠し事をしないように」と、部則違反の「部内恋愛」についても打ち明けた。

しかし、2人は「放置すると問題が広がってしまう」と考え、部則を重視していた顧問に報告した。これが、2度目の指導につながる。

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。