腸内環境の改善には、毎日の食事が重要な役割を果たします。善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える食品を意識的に摂取することで、腸内細菌のバランスを整えることができます。発酵食品や食物繊維が豊富な食材など、腸内環境を整えるために効果的な食べ物の基本をご紹介します。

監修管理栄養士:
中西 真悠(管理栄養士)
2020年3月女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業
2020年4月株式会社野口医学研究所入社
同年よりフリーの管理栄養士として活動開始、現在に至る
・法人向け健康経営支援サービスの立ち上げと推進(新規および既存顧客への営業活動を主導)
・食と健康に関する指導プログラムの実施(延べ2000人以上を対象にセミナーや測定会を通じて個別指導を実施)
・SNSでの情報発信によるブランディング
∟ Instagramにて食と健康に関する情報を発信し、フォロワー5万人超を達成
∟ 企業のSNS商品撮影代行やレシピ開発を400件以上実施
・サプリメントや雑貨のお客様相談室にてコールセンター業務を担当
・保険調査業務の実務を担当
腸内環境を整える食べ物の基本
腸内環境を改善するためには、日々の食事内容が重要な役割を果たします。善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑える食べ物を意識的に摂取することで、腸内細菌のバランスを整えることができます。
発酵食品の役割と種類
発酵食品には生きた善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境を整える代表的な食品です。ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、ぬか漬けなどは、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌といった有用な菌を含んでいます。これらの菌は腸内で善玉菌として働くだけでなく、他の善玉菌をサポートする働きがあり、悪玉菌の増殖を抑える効果が期待できます。
発酵食品を選ぶ際には、できるだけ添加物が少なく、伝統的な製法で作られたものを選ぶとよいでしょう。また、一度にたくさん摂るよりも、毎日少しずつ継続して摂取することが腸内環境の改善につながります。ヨーグルトであれば1日100g程度、納豆であれば1パック程度を目安に、日常的に取り入れることをおすすめします。
ただし、発酵食品の効果には個人差があります。特定の発酵食品が体質に合わない場合もあるため、摂取後の体調の変化を観察しながら、自分に合った食品を見つけることが大切です。また、塩分の摂りすぎにも注意が必要です。
食物繊維が豊富な食材
食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるうえで欠かせない栄養素です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。水溶性食物繊維は腸内で善玉菌に分解され、食物繊維をもとに腸内で作られる「短鎖脂肪酸」という有益な物質を産生し、腸内を弱酸性に保つことで、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。
水溶性食物繊維は、海藻類、こんにゃく、果物、大麦などに含まれています。一方、不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進して排便をスムーズにします。野菜、きのこ類、豆類、玄米などに豊富です。両方の食物繊維をバランスよく摂取することで、腸内環境の改善と便通の正常化が期待できます。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性20g以上、女性17g以上(※18〜64歳の場合)を目標量としていますが、現代の食生活では不足しがちです。急激に食物繊維の摂取量を増やすと、お腹の張りやガスの発生が増えることがあるため、少しずつ量を増やしていくことをおすすめします。
まとめ
腸内環境は全身の免疫細胞の約7割が集まる最大の免疫器官であり、私たちの健康を支える重要な基盤です。食べ物やサプリメント、生活習慣の改善を通じて腸内細菌のバランスを整えることで、便通の正常化だけでなく、免疫機能の適切な維持やメンタルヘルスの安定にもつながることが期待されています。本記事でご紹介した方法を参考に、まずは発酵食品を一品増やすことや一回の深呼吸など、できることから少しずつ実践し、、長期的な視点で腸内環境のケアに取り組んでみてください。ただし、効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるとは限りません。症状が改善しない場合や不安がある場合は、医療機関での相談をおすすめします。健やかな腸内環境が、あなたの健康な毎日を支える土台となることを願っています。
参考文献
厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」
日本消化器病学会「腸内フローラとは何ですか?」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

