當真あみ『ちはやふる—めぐり—』
この夏、筆者が最もその“フレッシュさ”に惹かれたのは、『ちはやふる—めぐり—』(日本テレビ系)で連続ドラマ初主演を務めた當真あみ。タイパを重視し、青春することを贅沢だと感じていたヒロイン・藍沢めぐるが、競技かるたに魅せられていく姿を演じました。自分と向き合い続けて成長するヒロインが魅力的
第1話では、長期の積立投信を熱く語りながらタイパばかりを気にして、「自分は誰かの脇役」と語る……なんとも主人公感のないヒロインだと思いました。しかし、その裏には中学受験の失敗というトラウマや、幼なじみでまさに“主人公キャラ”である凪(原菜乃華)へのコンプレックスが隠されています。過去の経験から、自分の感情や、欲望を言葉にできなくなってしまったのです。
そんな低体温で脇役魂をもったヒロインなのに、目が離せない。それは競技かるたと、競技かるた部の顧問・奏(上白石萌音)との出会いを通して、心が動かされ、葛藤し、自己と向き合おうとする彼女の不器用な瑞々しさが眩しかったからです。
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何かを頑張ることから逃げてきた彼女が、ゆっくりでも、少しずつでも自分の殻を破り、前に進んでいく姿には勇気をもらいました。まだ自己が確立していない10代らしい繊細な心の機微を、丁寧に演じた當真の高い演技力には脱帽です。
しかも彼女はまだ18歳。10月17日は主演映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』(しかも本作で共演した齋藤潤との恋物語!)の公開も控えており、これからも瑞々しい演技で多くの作品で輝いてくれることでしょう。
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良質な学園ドラマが多く、フレッシュな俳優陣の演技が楽しめた夏クール。彼女らのますますの活躍を、これからも楽しみたいと思います。
<文/鈴木まこと>
【鈴木まこと】
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201

