
1月14日(水)にスタートする、杉咲花主演ドラマ「冬のなんかさ、春のなんかね」(毎週水曜夜10:00-11:00、日本テレビ系)の完成披露試写会が10日に都内で開催され、杉咲、成田凌、内堀太郎、今泉力哉監督がトークセッションに登場。キャスト陣が、今泉監督の演出・脚本について語る場面があった。
■杉咲、今泉監督は「書いた内容を覚えてない(笑)」
本作は、「愛がなんだ」(2019年)などで知られる今泉監督のオリジナル脚本で描かれた“考え過ぎてしまう人”のためのラブストーリー。主人公・土田文菜は、小説家としてこれまでに2冊の小説を出版し、現在3冊目を執筆中の27歳で、普段は古着屋でアルバイトをしている。文菜は、これまでに経験してきたさまざまな別れや、かなわなかった恋などから、人を好きになることにどこか恐れを抱き、「大切な人とは付き合わないほうがいいのではないか」「そもそも恋愛とは?」などと逡巡しながらも、前に進んでいく――。
杉咲が主人公の文菜、成田は文菜の恋人・佐伯ゆきお、内堀は文菜の先輩にあたる小説家・山田線を演じる。
今回登壇したキャスト陣はこれまでも映画・ドラマなどで今泉監督の作品に出演した経験がある。トークセッション後半では、今泉監督からそんな3人に「実際この現場はどうですか?膨大なせりふの量とかいろいろ…」と質問が。
これに、杉咲が「せりふは大変ですよね…覚えるの。どうですか?」と成田・内堀に同意を求めると、2人とも「大変」と共感し、成田は「相づちを覚えるのが大変なんだよね。会話だから、10分くらい長く(カメラを)回している中で、『そうなんだ』『そう』『うん』とか、覚えられない(笑)。日常の会話らしい会話で、『えっ、そういえばさ』の『えっ』も脚本に書かれていたりする…覚えにくい」と苦笑い。
うなずきながら、杉咲は「衝撃的なのが、脚本を書かれているのは今泉さんなんですけど、書いた内容や演出した内容を全然覚えてなくて(笑)。私たちがト書き(せりふ以外の動きなどが書かれた文)とかを読んでイメージを膨らませているんですけど、ある回で私が『相手の言う言葉を聞く前に何かを察してニヤニヤする』みたいなト書きがあって。一応やってみたんです」と切り出す。
続けて「そしたら今泉さんがパッと来て、『何でニヤニヤしているんですか?』『言うことが分かっちゃっている人みたいだからニヤニヤしないで』って言われて…。『ト書きに書いたの今泉さんですよね!?』ってことが起きたり(笑)」と、オーダー通り演じただけなのに注意されてしまったエピソードを披露した。
■成田、本番中の追加演出に驚き「現場でもやるんだ!」
会場が笑いに包まれる中、今泉監督は「基本的に現場では台本を見てなくて。芝居を見ていて『何で先に察してニヤニヤしてんの?』って。おかしいよと言ったら、『書いてあった通りにやっている』って言われて。そういうことは日々起きています」と振り返りつつ、「勢いで書いているので、書いているときのことをあんまり覚えてないんです。良くないことですけどね。現場で芝居を見ると、そうじゃないなと思うんですよね。すみません」と平謝り。
それを受け、杉咲は「(台本に書かれた)それがすべてじゃないというか、入口も出口も決まっていない。現場で起きたことをすごく尊重してくださったり、アイデアを取り入れてくださる方なので楽しいです」と、“今泉流”を支持していた。
その流れで、成田が「(本番のカメラが)回っている最中に、(成田だけに聞こえるように)『成田これ言って』みたいなのはずっとありますね」と“本番中”の追加指示についても告白すると、今泉監督は「本番中に指示するんですよ。相手の芝居で出た言葉を受けて、『言葉をいじってください』って。そうすると相手が笑っちゃったりするんで」と、あえて芝居が固まり過ぎないように現場の“生感”も大事にしていることを伝えた。
成田は「ワークショップだけだと思っていました。今泉さんと初めて会ったのは、今泉さんがやっているワークショップだったんですけど、それはエチュード(即興芝居)でガンガン進んでいく話だから、片方の役者にコチョコチョって(今泉監督が)話を入れて進めていくやり方をされるんですけど、現場でもやるんだ!って。しかもいまだにやるんだ!って(笑)」と、変わらない今泉監督流のやり方をうれしそうな表情で語った。
そして、あらためて今泉監督は「今後も長いせりふがたくさんあり、ご負担をおかけしますが、より良いシーンになればと思っています」と、キャスト陣にお願いしていた。
◆取材・文=月島勝利(STABLENT)

