拘縮のメカニズムと進み方

拘縮は、長期間関節を動かさないことで筋や腱、関節包などの組織が硬くなり、コラーゲン線維が増加して可動域が徐々に狭まって進行します。
拘縮のメカニズム
拘縮のメカニズムは、関節や筋肉を長期間動かさないことで、関節包や筋、腱、皮膚など関節周囲の軟部組織にコラーゲン線維の増加や線維化が生じ、組織が硬くさらに短縮するのが主な原因です。また、血流や栄養の供給が不足して組織の代謝や修復能力が低下し、さらに滑膜や結合組織の代謝異常や低酸素状態が進行すると、線維芽細胞が活性化してコラーゲンの産生が促進されます。この結果、関節の可動域が徐々に狭くなり、もとの柔軟性を失っていくのが特徴です。
参照:『拘縮の病態とメカニズム』(日本ペインリハビリテーション学会)
拘縮の進行の目安
拘縮の進行の目安は、関節の可動域が徐々に狭くなり、筋肉や腱、関節周囲組織が硬くなることで動きづらさが増す点です。初期は筋肉の柔軟性低下から始まり、放置すると次第に関節自体が動かせなくなりソフトな抵抗からハードな抵抗へと感触が変化します。進行した状態では日常動作に大きな支障が生じ、回復が難しくなるため、可動域制限や痛み、変形の有無で早期発見が重要です。
参照:『Q&A Vol.194 【関節拘縮の困った!】治るかどうかの見極め』(日本臨床学会)
拘縮が生じることによる生活や介護への影響

拘縮が生じると、生活面や介護にさまざまな支障が現れます。まず、主要な関節が徐々に動かなくなり、衣服の着脱や移乗、排泄、入浴、食事など日常生活動作の多くが困難です。例えば股関節の拘縮は座位や歩行、排せつ、浴槽への出入りを難しくし、肩や肘の拘縮は上半身を使った自力動作を著しく制限します。
また、関節や筋肉が硬くなることで体位変換や清拭も難航し、介護者の身体的・精神的負担が増加しやすいです。さらに放置すると、拘縮した部位の痛みや変形、皮膚障害(褥瘡)の発生や、骨折や感染症のリスクが高まります。首や腰の拘縮によって誤嚥の危険や姿勢保持困難が生じることで、全身の健康まで影響を及ぼすケースもあります。
本人は活動範囲が狭まり、長期臥床による筋力や心肺機能低下、廃用症候群など全身状態も悪化しやすくなり、社会的孤立感や意欲低下も招きやすいです。このように拘縮は生活機能・QOLの低下と介護負担増の大きな要因です。
参照:『介護者による体位交換』 (健康長寿ネット)

