寝たきりの認知症の方をケアする際に気を付けたいこと

寝たきりの状態が続くと、ご本人の身体の変化が進みやすく、普段の生活のなかで起こりやすい困りごとも増えます。ここでは、日常でよく直面する場面を踏まえながら、ケアの際に意識したいポイントを解説します。
食事の注意点
寝たきりの状態では、食事姿勢を整えることがむずかしくなり、むせ込みやすさが増えることがあります。嚥下の動きが弱まると、食べ物が飲み込みにくく、少量でも疲れやすい状態に変わることがあります。そのため、食事中は頭の位置や身体の傾きが偏らないように整えることが大切です。
大きな一口よりも少量ずつのほうが負担が少なく、食事のリズムが整いやすくなります。食事量が減ってきた時期は、味覚の変化や疲れやすさが背景にあることも多く、食事量だけでなく、どのくらいの時間で食べ終えられるか、飲み物の飲み込みやすさなども併せて観察すると、ご本人の状態の把握につながります。
入浴の注意点
寝たきりの状態が続くと、体温調節が揺れやすく、環境の変化に負担を感じやすくなります。入浴時は、特に入室直後の温度差に気を付け、湯船の温度は熱く感じない程度を選ぶことが重要です。座位保持がむずかしい方は、身体の一部を支える時間が長くなるため、事前に必要な動作を簡潔に伝え、短い工程で入浴を終えられるように整えると負担が軽くなります。洗髪や洗身の際は首が前に倒れやすいため、体勢が崩れないように支え方を工夫しましょう。
排泄の注意点
寝たきりの方は、排泄のリズムが乱れやすく、便秘や尿意の把握の難しさが重なりやすいです。ご本人は排泄のタイミングを伝えることが難しくなる場合があるため、排泄パターンを日頃から把握しておくことが重要です。また、長時間同じ姿勢が続くとおむつ周囲の蒸れや皮膚トラブルが起こりやすく、お肌の状態をこまめに確認することが必要です。
コミュニケーションで心がけたいこと
寝たきりになると、表情の動きや声の大きさが弱まり、ご本人の意図が伝わりにくい場面が増えます。そのため、返答が少ない状況でも、声がけを続けるだけでご本人の安心感につながる場合があります。言葉の理解や反応の速度が遅く見える時期が続くことがありますが、急かさずに待つ姿勢が落ち着いた関わりにつながります。また、視野が狭くなる方も多いため、顔が見える位置から声をかけ、どの動作を行うのか短い言葉で伝えることで、状況を把握しやすくなります。
寝たきりの認知症の方を受け入れ可能な施設の種類と手続き方法

寝たきりの認知症の方を支えるためには、医療的な支援が整った施設や、生活全体を支える体制を持つ施設を選ぶ必要があります。ここでは、受け入れが可能な主な施設と、入所までの流れを解説します。
寝たきりの認知症の方を受け入れられる施設の種類
選択肢の例として、医療と介護が一体的に提供される介護老人保健施設や、看取りを含めた長期支援が中心となる介護医療院があります。医療的管理が多く必要な方は、日常的に医師が関わる体制が整っている特別養護老人ホームや、医療と生活ケアを並行して行える 有料老人ホーム(介護付き)が候補です。寝たきりの状態では、吸引・胃ろう・褥瘡管理などの医療的対応が必要になることも多く、施設ごとに受け入れ範囲が異なるため、事前確認が欠かせません。
施設に入所するための手続き
入所の流れは、まずケアマネジャーへの相談から始まり、ご本人の状態に合う施設を選定します。希望施設が決まった後は、診療情報提供書や看護サマリーなどの書類を準備し、施設側の面談・判定へ進みます。医療的ケアの有無や認知症の進行度を踏まえて受け入れ可否が判断され、空床があれば入所日が調整される仕組みです。入所までは待機期間が生じる場合があるため、複数施設へ同時に申し込みすることもあります。

