「軽度認知障害と認知症の違い」はご存知ですか?それぞれの症状・原因も解説!

「軽度認知障害と認知症の違い」はご存知ですか?それぞれの症状・原因も解説!

認知症の代表的な症状

記憶障害が生活に影響する

記憶障害が悪化すると、予定や服薬、金銭、火の管理が難しくなり、同じことを何度も繰り返す、食事の重複、物盗られ訴えなどが出る症状が目立つようになります。周りの方は、本人の行動を否定することはせずに、服薬管理、火元対策、貴重品管理などの安全確保に重点をおくようにしてください。

見当識・判断力の低下

見当識の障害(日時や場所が分からない)や、判断力の低下(道に迷う、手続きができない、詐欺に遭いやすい)などの症状も見られます。対策として、お金や契約関係は家族で管理することが必要になります。また、地域包括支援センターに相談することも有用です。

行動・心理症状(BPSD)

行動・心理症状(BPSD)といって、不安、易怒性、抑うつ、幻覚、徘徊、介護拒否などの症状も認知症では問題となります。環境や体調(便秘・痛み・感染)で症状が悪化することもあります。対応策としては、原因探索と環境調整を行うことが必要です。介護者の方が対応に困った際には医療機関や介護サービスで遠慮なく相談してもらいたいと思います。

軽度認知障害の予防法

運動(有酸素運動と筋トレ)

ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングの継続が予防に重要と言われています。WHOも認知機能低下のリスクを低下させるものと身体活動を推奨しています。

食事と生活習慣病管理

食事では塩分・過剰な糖質を控え、たんぱく質と野菜・魚の摂取を意識することが重要です。生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)の管理、あるいは生活習慣病の発症予防は、脳血管障害の予防にもつながります。

社会参加と知的活動

社会参加や知的活動を継続することも重要な予防法と言われています。他者との会話、趣味を楽しむこと、学び直し、地域活動などを通して、「孤立しない」ことが大切です。もし、聞こえづらさがあって他者との交流が難しいと感じる場合は耳鼻科を受診して補聴器の使用も検討してください。

認知症の予防法

中年期からのリスク管理

高血圧、糖尿病、肥満、喫煙は認知症の発症に重要なリスク因子と言われています。健康診断で数値の異常を指摘された際には放置せずに近くの内科を受診して相談するようにしましょう。

筋力・歩行の維持

認知機能だけでなく、筋力や歩行の維持を行い転ばないようにすることも生活の自立を守ることにつながります。有酸素運動など、続けられる運動を選ぶのがコツです。

睡眠・うつ・難聴のケア

睡眠障害やうつ、聞こえづらさは認知機能に影響しやすく、早めに対応することで認知機能の悪化を抑えることができる可能性があります。

「軽度認知障害と認知症の違い」についてよくある質問

ここまで軽度認知障害と認知症の違いなどを紹介しました。ここでは「軽度認知障害と認知症の違い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

軽度認知障害と診断されたら、認知症へ進行するのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

いいえ、認知症へ必ず進行するわけではありません。軽度認知障害の中には、生活習慣の改善や原因(睡眠障害、うつ、薬、内科疾患など)の治療で改善するケースもあります。一方で、背景にアルツハイマー病などがある場合は進行リスクが高くなるため、定期フォローと運動・食事・社会参加などの介入を早期に始めることが大切です。進行が疑われる場合や生活に支障が出始めた場合は、もの忘れ外来、脳神経内科や脳神経外科、精神科・心療内科などで検査を行い、治療方針を相談することをお勧めします。

まとめ

軽度認知障害(MCI)と認知症の違いは、ひとことで言うと「生活が自立できているか」です。MCIは軽い認知機能低下があっても日常生活は保たれ、原因によっては改善も期待できます。一方、認知症は認知機能低下が生活に影響し、支援が必要になります。
「年のせい」と決めつけず、短期間で悪化する、道に迷う、服薬や金銭管理が難しいなどのサインがあれば早めに専門診療科(物忘れ外来、脳神経内科、脳神経外科、精神科・心療内科など)を受診して相談してください。MCIの段階で、運動・食事・社会参加、そして睡眠やうつのケアを始めることが、将来の生活を守る一歩になります。

「軽度認知障害と認知症」と関連する病気

「軽度認知障害と認知症」と関連する病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経系

アルツハイマー型認知症

レビー小体型認知症

前頭側頭型認知症

脳血管性認知症

ウェルニッケ脳症

正常圧水頭症

慢性硬膜下血腫

精神科の病気

うつ病

内科の病気

甲状腺機能低下症

ビタミン欠乏症

高血圧脂質異常症糖尿病

軽度認知障害と認知症には違いがあり、軽度認知障害は治る可能性のある状態です。また、認知症の中にも、甲状腺機能低下症やビタミン欠乏症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など、治る病態もあるので、忘れやすさや注意力の低下など気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診して検査を受けることをお勧めします。

「軽度認知障害と認知症」と関連する症状

「軽度認知障害と認知症」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

物忘れ集中できない

判断力が落ちた

一度に複数のことができない

よく理解できない

性格が変わった

怒りっぽい

一時的なストレスや疲れなどで認知症に似たような症状が出現することもありますが、なかなか症状が改善しない場合には一度医療機関で相談することをお勧めします。

参考文献

認知症疾患診療ガイドライン2017 一般社団法人 日本神経学会

国立長寿医療研究センター「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」 (2022)

「認知機能低下および認知症のリスク低減 WHO ガイドライン」 (2020)

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配信元: Medical DOC

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