【千葉市美術館】麗しい花鳥版画が35年ぶりに里帰り!『ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』が開催

ロックフェラーコレクション

アメリカ・ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称・RISD美術館)の花鳥版画、163点が里帰りを果たす展覧会の見どころをご紹介します。

RISD美術館とアビー・オルドリッチ・ロックフェラーの関係とは?

ロックフェラーコレクション1 歌川広重《雪中椿に雀》 大判短冊錦絵 天保3〜6年(1832〜35年) RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD美術館)とはどのような施設なのでしょうか?アメリカ合衆国ロードアイランド州プロビデンスにて1877年に創立した美術大学であるRISDは、 全米最古の創立校のひとつです。

「美術大学のハーバード」とも呼ばれ、付属のRISD美術館には、美術に高い関心を寄せる地元の名士たちの寄贈により、古代から現代に至るまで10万点を超えるコレクションが収蔵されています。そのうちの約4000点を日本美術が占めていて、質・量ともにアメリカでも有数の充実ぶりを誇ります。

ロックフェラーコレクション2アビー・オルドリッチ・ロックフェラー 1900年撮影 Courtesy of the Library of Congress, LC-B2-6330-13)

このRISD美術館に、自らの花鳥版画コレクション全点を寄贈したのが、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー(1874〜1948年)です。ネルソン・オルドリッチ上院議員の四女としてプロビデンスに生まれ、1901年にジョン・D・ロックフェラー・ジュニア(1874〜1960年)と結婚。

社交界の名士・慈善家また芸術のパトロンとしても知られ、1929年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)の発案と設立に尽力しました。

そして1916年から日本の版画の収集をはじめ、10年以上にわたり700点以上の花鳥版画を収集すると、1934年にRISD美術館へと一括して寄贈したのです。

北斎、広重、若冲、それに柱絵から団扇絵まで。本展の主な4つの見どころ

それでは本展の主な4つの見どころについて追ってみましょう。

ロックフェラーコレクション3歌川広重《烏瓜に目白/芍薬に小鳥》 中短冊判錦絵 天保3〜6年(1832〜35年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

1.北斎、広重ら浮世絵師による花鳥版画163点が35年ぶりに里帰り

アビー・オルドリッチ・ロックフェラーが収集したこのコレクションは、花鳥版画に特化したものとして世界的にもきわめて貴重な存在です。19世紀のジャポニスムの流行期に多くの花鳥版画が海外へ流出したため、国内でまとまって鑑賞する場はほとんどありません。今回の展示では、その名品の数々を間近に堪能できる、希少なチャンスとなります。

2.歌川広重110点、唯一の版と思われる伊藤若冲の作品も日本初公開!

ロックフェラーコレクション4歌川広重《月に雁》 中短冊判錦絵 天保3〜6年(1832〜35年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

花鳥画は、時代の流行に左右されることなく親しまれてきた題材ですが、江戸時代末期の天保年間には、葛飾北斎による花鳥版画が出版され、庶民の間にも広まりました。その後、多くの浮世絵師がこの画題を手がけるようになり、とりわけ歌川広重は圧倒的な制作数を誇ります。

ロックフェラーコレクション5伊藤若冲《雌雄鶏図》 木版彩色摺 江戸時代 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

そして今回は広重の作品110点を中心に紹介するほか、現存が確認されている唯一の版と考えられる伊藤若冲の花鳥版画が、日本で初めて公開されます。

3.柱絵、団扇絵など多彩な判型の花鳥版画を展示

団扇の骨に貼るために制作された「団扇絵」や、家の柱などに小さな掛軸として貼られた「柱絵」、さらに裁断前のまま残された版画など、さまざまな判型の浮世絵版画を紹介します。加えて、制作過程をうかがわせる希少な下絵も展示され、浮世絵版画の多彩な表現世界を堪能することができます。

4.アビーの収集の軌跡をたどる展示

アビー・オルドリッチ・ロックフェラーが最初に収集した花鳥版画、歌川広重の《水葵に鴛鴦》と《紫陽花に川蝉》から展示は始まります。彼女が残した「部屋を花鳥版画で飾る」という言葉のとおり、会場全体が花鳥版画に囲まれた暮らしを思わせる空間として設られます。

配信元: イロハニアート

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