健康診断での便潜血検査が「陰性」だった場合、大腸カメラを受ける必要はないのでしょうか。佐々木先生によれば、一見「異常なし」とされても、大腸ポリープや初期の大腸がんが見逃されている可能性があるそうです。検査の仕組みや頻度、安心して受けるためのポイントを伺いしました。

監修医師:
佐々木 大樹(佐々木医院)
2009年東邦大学医学部を卒業後、東邦大学医療センター佐倉病院初期に研修医として入職、その後、香取小見川医療センターでも経験を積む。2021年、佐々木医院院長に就任。日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡学会専門医。
編集部
便潜血が陰性の場合は、大腸カメラは受けなくても良いですか?
佐々木先生
難しい質問ですね。スクリーニング(選別・ふるい分け)のための検便ですが、検便で「異常なし」と出た場合でも、ポリープなどの前がん病変などがある場合も考えられますので、受けていただいた方が安心だと思います。
編集部
受ける目安などはありますか?
佐々木先生
大腸がんは40代以降に急激に増えてくるというデータがあるので、症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は受けてほしいですね。20~30代の方も、下痢・血便などの症状がある場合やご家族で大腸がんにかかったことのある方がいる場合などは、意識して検査を受けていただきたいです。
編集部
便潜血検査や大腸カメラに大腸がんの見逃しはないのですか?
佐々木先生
「見逃し」という言葉が適切かどうかは分からないのですが、大腸がんがあっても、一度の便潜血検査では引っかからない場合はあります。また、大腸という臓器は、曲がりくねっていたり、腸の内側に絨毛というヒダが無数にあったりするため、カメラのいわば「死角」になる部分がどうしても出てきてしまいます。ですから、一度の検査で「陰性」「異常なし」であっても、定期的な検査をお勧めします。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあればお願いします。
佐々木先生
大腸内視鏡検査、いわゆる大腸カメラは、「肛門からカメラを入れて大腸の内部を観察する」というハードルの高い検査だとは思いますが、最近は、検査前の下剤も錠剤や粉末タイプなど飲みやすいものが出ていますし、検査時も、鎮痛剤などを使うことで苦痛を大幅に軽減することができるようになっています。「検査を受けなきゃ」とは思ってはいても、やはり不安という方は、まずは専門家に相談してみると不安も軽減されると思います。
※この記事はメディカルドックにて【便潜血検査が陰性なら大腸カメラの必要はない? 検便で引っかかる原因と対応を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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