毛糸などで手作りしたハンドルカバーを車のハンドルに装着した画像の投稿がX(旧Twitter)の投稿に対して、「滑るから危ないのでは」という声が相次いで上がりました。
危険性を指摘する声の中には、市販のハンドルカバーは、運転中にズレるのを防止するために、装着が大変なくらいキツく作られているとして、編み物で作られた自作ハンドルカバーは滑りやすく危険ではないかなどと懸念を示す意見がありました。
Xの投稿に限らず、TikTokなど他SNSでも自作と思われるハンドルカバーを紹介するような動画もありました。
もし、こうした自作のハンドルカバーを装着して運転中に事故を起こした場合、法的にはどのような問題が生じるのでしょうか。簡単に解説します。
●解説のポイント
・事故発生時には「過失運転致死傷罪」に問われるリスク
・事故がなくても「安全運転義務」違反となる可能性
・「可愛い」「オリジナル」という安易な理由での使用は避けるべき
●事故を起こせば「過失運転致死傷罪」に問われる可能性も
まず、自作ハンドルカバーを装着した状態で交通事故を起こし、人を死傷させた場合について考えてみましょう。
自動車運転死傷行為処罰法5条は「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」を処罰する旨を定めています(7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。
「運転上必要な注意を怠る」について、たとえば、自作ハンドルカバーが厚すぎたり滑りやすかったりして、ハンドル操作を妨げるような状態だった場合、それを使用して運転していたことがこれにあたると評価される可能性があります。
事故が起きた際、「ハンドル操作を妨げるものを使っていた」という事情は、過失の認定において重視される可能性があります。そして、自作ハンドルカバーの使用と事故との間に因果関係が認められれば、過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
もちろん、個別具体的な状況によって判断は異なりますので、すべてのケースで必ず有罪になるわけではありません。しかし、ハンドル操作を妨げる可能性のあるものを装着していたという事実は、刑事責任を問われる大きなリスクとなります。

