年齢を重ねると、ほうれい線や頬のこけなど、顔の印象を左右する変化が現れます。そのような悩みに対して、ヒアルロン酸注入による若返り治療が注目を集めています。手術の必要がなく、自然にハリを取り戻せることで人気ですが、正しい知識を持たずに施術を受けるとトラブルにつながることも。そこで今回は、施術の目的や経過、注意点について、YOUR FACEの大島先生に詳しく解説していただきました。

監修医師:
大島 恵美(YOUR FACE)
2012年昭和大学(現・昭和医科大学)医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院および焼津市立総合病院で初期臨床研修修了。その後、東京大学医学部附属病院形成外科・美容外科に入局し、埼玉県立小児医療センターや杏林大学医学部付属病院などで研鑽を積む。2015年東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科 助教、2017年三重大学医学部附属病院 形成外科創設メンバーとして助教・外来医長・副医局長を務め、形成外科の指導・臨床の両面に携わる。以降、新松戸中央総合病院形成外科科長、当山美容形成外科などを経て、2023年より「YOUR FACE」に勤務。マイクロサージャリーを用いたリンパ管静脈吻合術や再建手術、創傷管理をはじめ、眼瞼下垂症、婦人科形成、小児形成など幅広い分野に取り組んだ経験を活かし、美しく機能的なかたちの実現を目指している。日本形成外科学会形成外科専門医。
ヒアルロン酸治療の目的と基本知識
編集部
はじめに、ヒアルロン酸注入はどのような目的でおこなわれる治療なのか教えてください。
大島先生
ヒアルロン酸はもともと体内にある成分で、水分を保持し肌のハリや弾力を保つ働きがあります。加齢によって皮膚の弾力や水分量が低下し、ハリが失われていくとともに、骨や靭帯、皮下脂肪の変化により皮膚を支える土台が弱くなることで、たるみや凹みが目立つようになります。ヒアルロン酸注入治療では、ボリュームを補ったり形を整えたりすることで若々しい印象をつくり、表情を豊かに見せることができます。ヒアルロン酸の体になじみやすい性質を活かし、目的に合わせて様々な製剤を使い分けて注入します。外科的手術に比べて負担が少なく、自然に変化を出せる点が選ばれる理由です。
編集部
ヒアルロン酸を注入すると、どのような効果が期待できますか?
大島先生
代表的な効果は、ほうれい線やマリオネットラインなどのしわ改善です。加齢でこけやすい頬やこめかみにハリを出したり、顎の骨が痩せてきたときにフェイスラインを整えたりすることもあります。また、顎先に注入して「梅干しジワ」を予防したり、おでこに丸みを出すことで若々しい印象にしたりするケースもあります。さらに、頬の脂肪が下がってたるんだように見えるのを改善するために、頬上部を持ち上げるなど、たるみに対して支えを補う目的で使うこともあります。
編集部
美容目的の場合には体のどの部位に使われることが多いのでしょうか?
大島先生
顔では、ほうれい線や口元、額、こめかみ、目の下、顎などが中心です。鼻筋を整えたり唇をふっくらさせたりする、涙袋を形成するといったパーツ形成にも活用されています。若い世代では「自然に整える」目的で選ばれることも増えています。また、体では手の甲に注入してハリを取り戻す施術も人気です。年齢や悩みに応じて注入部位を変えることで、より自然な若返り効果が得られます。
注入後の経過と日常生活での注意点
編集部
ヒアルロン酸注入後は、一般的にどのような経過をたどるのでしょうか?
大島先生
施術直後から形やハリの変化を実感できますが、数時間後から腫れが強く出ることもあります。これはヒアルロン酸が周囲の水分を引き寄せる性質によるもので、徐々に落ち着きます。不安がある場合は、写真を撮ってクリニックに相談することが望ましいですね。ヒアルロン酸は少しずつ吸収され、1〜数年でなくなることが多いですが、完全に吸収されずに長く残る場合もあります。
編集部
注入直後に起こりやすい腫れや内出血は、どのくらいで落ち着くのが一般的ですか?
大島先生
軽い腫れや赤みは数時間から3〜4日程度で治まります。体質や部位によっては小さな内出血が出ることもありますが、多くは1〜2週間で自然に消えます。生活に大きな支障をきたすことは少なく、メイクで隠せる程度です。施術後は注入部分を触ったりマッサージをしたりすると、形が崩れたり吸収が早まることがあるため避けましょう。冷やしながら安静に過ごすのが大切です。
編集部
入浴・飲酒・運動など、日常生活で控えたほうがよいことはありますか?
大島先生
施術当日は血流が促進される行為を避けましょう。長時間の入浴やサウナ、激しい運動、飲酒は腫れや内出血を悪化させる可能性があります。また、注入した部分をマッサージすると形が崩れたり腫れが強まったりすることがあるため控えてください。施術当日はシャワー程度にとどめ、安静に過ごしましょう。翌日以降は体調を見ながら通常の生活に戻ることができます。

