知的障害への支援

知的障害が疑われるときはどこに相談すればよいですか?
知的障害の疑いがある場合は、早期に専門機関へ相談しましょう。子どもの場合は、教育センターや児童発達支援センターが主な相談先です。いきなり専門病院が不安な場合は、まず児童発達支援センターで発達検査、支援方針、診断サポート、関係機関との連携、療育施設の利用相談などが可能です。
大人の場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や保健所、保健センターに相談してください。福祉サービスの情報提供や、必要に応じて専門医療機関や発達障害者支援センターへの紹介を受けられます。
学校や児童支援ではどのようなサポートを受けられますか?
知的障害のある子どもには、特別支援学校や特別支援学級で、個別の指導計画に基づいた教育が提供されます。特別支援学校では、学習内容の断片化や実生活での応用が難しい特性を考慮し、生活場面を想定した実践的かつ継続的な指導により、日常生活で必要な知識や技能の習得を促します。特別支援学級でも同様に、少人数で発達段階に応じたきめ細やかな指導が行われます。また、学校外では、言語聴覚士(ST)や心理士による療育的サポートや、未就学児向けの児童発達支援などの福祉サービスが利用できます。
就労や社会生活でどのようなサポートが必要ですか?
知的障害者が社会生活を送るには、公的な就労支援制度や福祉サービスの活用が不可欠です。就労面では、ハローワーク経由の就労移行支援や一般企業への障害者雇用枠、または就労継続支援A型あるいはB型事業所があります。
生活面では、グループホームや福祉型入所施設での支援、日中の生活介護サービスがあります。また、療育手帳の取得で、年金受給や税金、公共料金の減免、医療費補助などさまざまな福祉サービスが受けやすくなります。このように、安心して働いて暮らせるよう、両方からのサポート体制が必要です。
子どもの頃と大人になってからでサポート内容は変わりますか?
知的障害の支援は成長段階に応じて変化します。子どもの頃は教育と発達促進が中心で、特別支援教育や療育で言語、生活スキル、社会性を高めます。
大人になると、就労支援や地域生活の支援に比重が移ります。福祉サービスで生活を支え、仕事探しや金銭、健康管理のサポートが中心です。
小さい頃から将来を見据えて支援機関と情報共有し、切れ目なくサポートを継続していくことが理想的です。各自治体には障害者相談支援センターなど、大人の障害者を包括支援する窓口もありますので、成長に伴い利用できるサービスを柔軟に見直していきましょう。
編集部まとめ

知的障害は決して珍しい障害ではなく、誰にでも起こりうる発達障害の一つです。本人の意志で克服できるものではないため、早期に適切な支援につなげることが大切です。しかし、子どもの頃から大人になるまで、必要な支援の形は変化します。そのため、生涯にわたって利用できる制度やサービスが整備されています。決して一人で抱え込まず、行政や専門家の力を借りながら環境を調整していけば、知的障害があっても社会でその人らしく成長、活躍することができます。
参考文献
『知的障害児(者)基礎調査:調査の結果』(厚生労働省)
『(3)知的障害』(文部科学省)
『障害のある人に対する相談支援について』(厚生労働省)

