「女性で尿蛋白が多くなる原因」はご存知ですか?医師が”考えられる病気”も解説!

「女性で尿蛋白が多くなる原因」はご存知ですか?医師が”考えられる病気”も解説!

女性の尿蛋白と指摘されたときの原因は何かご存じですか?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

女性が健康診断で「尿蛋白」を指摘されたときに考えられる原因と対処法

健康診断で尿検査の異常、特に尿蛋白の異常があった場合、腎臓病の可能性が考えられ注意が必要です。しかし、女性の場合には尿蛋白がみられた場合に、腎臓病以外の原因も考えられます。
ここでは、尿蛋白がみられた場合において、女性特有の原因について詳しく解説いたします。

生理中、生理前後に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

生理の時には、経血が尿に混じる可能性が高いです。この時に尿検査を行うと、潜血が陽性となることが多いですが、蛋白も陽性となる事も少なくありません。
月経時には、血液中の蛋白成分や膣の分泌物が尿に混じってしまうことも多く、このため試験紙法の尿検査で蛋白が陽性と反応してしまうからです。見た目では、経血が混じっていないように見えても採尿時に少量混じってしまうだけでも反応するため、正確な判断ができないです。生理中、生理前後3,4日程度は尿検査を避けることをお勧めします。
生理中の尿検査では正確な判断ができません。生理後3,4日目以降で再度尿検査を行い、判断をするようにしましょう。
また、生理前であっても膣からの分泌物の影響や、ホルモンのバランスにより一時的に尿蛋白が陽性となる事もあります。一回だけの尿検査ではなく、何度か検査を行い持続して尿蛋白が陽性となっているかを確認しましょう。

妊娠中に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

妊娠中は、通常時より循環血液量が増加し、また胎児の老廃物も一緒に処理しなければならないため母体の腎臓への負担が増加します。そのため、通常より尿蛋白が漏れ出やすくなり、一時的に少量の尿蛋白がみられることも少なくありません。一時的であれば、経過をみても良いですが、持続的に尿蛋白が観察され、高血圧を伴うような場合には妊娠高血圧症候群の可能性もあるため、主治医に相談をしましょう。

更年期に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

エストロゲンには腎臓の保護作用があると報告されています。このため、閉経により腎臓病のリスクが上昇することが分かってます。更年期では、エストロゲンの働きが低下し、腎臓病の合併をしやすいです。
また、エストロゲンは心保護作用もあると言われています。閉経前後で急激に血圧が上昇することも少なくありません。高血圧は腎臓病発症のリスクとなり、尿蛋白を合併しやすくなる可能性も考えられます。このような原因で更年期では、尿蛋白がみられやすいと言えます。

健康診断の尿検査結果の見方と再検査が必要な「尿蛋白」に関する数値・結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断の「尿蛋白」の基準値と尿検査結果の見方

尿検査で尿蛋白が1日150mg以上となる場合、異常と診断します。しかし、これは尿の蛋白を定量検査で詳しく測定しなければなりません。一般的な健康診断では、試験紙法で尿の蛋白濃度を測定します。
試験紙法では、(-)~(4+)までで判定されます。

判定 – ± + 2+ 3+ 4+

尿蛋白濃度 15mg/dL未満 15mg/dL以上 30mg/dL以上 100mg/dL以上 300mg/dL以上 1g/dL以上

一般的に、尿蛋白濃度が30mg/dL以上で陽性と判断しますが、±であっても異常がある事もあり注意が必要です。

健康診断の「尿蛋白」の異常値・再検査基準と内容

試験紙法で尿蛋白が±以上である場合、再検査が勧められます。希釈された薄い尿の場合には、尿蛋白が多く出ていても±と判定されることもあるためです。逆に脱水状態で尿が濃くなっている場合には、陽性であっても一日あたりの尿蛋白が150mg以下の正常であることもあります。
試験紙法で尿蛋白の異常がみられた場合には、定量検査を施行することが多いです。この定量検査で尿蛋白と尿中のクレアチニンの濃度の比を用いて一日当たりの尿蛋白量を推算します。この検査で尿蛋白量が0.15g/gCr以下であれば正常と判断されます。

配信元: Medical DOC

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