職場に不倫相手の妻が乗り込んできた礼子さん。その日の夜、主人公に「助けて」とLINEを送ってきます。複数の不倫が発覚し、慰謝料を請求される危機に陥った礼子さんを前に、主人公は…?
ある日起きた事件
不倫に対する考え方が私とは違いすぎる礼子さんとの関係に悩みすぎて、ついには仕事に行くのも嫌だなと思い始めていた、ある日のことでした。会社で騒ぎが起きたんです。
朝、出社すると、いつもとは違うざわめきがオフィス中に満ちていました。何事だろうと思っていると、他の同僚がこっそり教えてくれました。
なんと、礼子さんの不倫相手の奥さんが、礼子さんの職場を突き止め、オフィスの入り口で激しい口論になったというのです。私はその現場を見てはいませんでしたが、話を聞いただけで心臓がドクンと音を立てました。
不倫がバレたことで事態は急変
その日、礼子さんはすぐに早退しました。オフィスはいつもより静かで、張り詰めた空気が漂っていました。そして、その日の夜。私のスマホにLINEの通知が来ました。もちろん、礼子さんからです。
「どうしよう…彼の奥さん、想像以上に怒り狂ってたわ。慰謝料払えって脅されてる」
私からすれば、夫が不倫した以上は妻が怒り狂うのは当然じゃないかと思います。でも礼子さんからすれば「夫婦関係は冷え切っている」という不倫相手の話をうのみにしていて、妻は不倫に気づいても何もしてこないとでも思っていたのでしょうか。
さらに画面に表示されたメッセージを見て、私は思わず息を呑みました。礼子さんが言うには、不倫関係にあった男性は1人だけではなく、複数人いたそうで、そのうちの1人の妻が礼子さんを特定したというのです。
「不倫相手の妻が探偵を雇ったらしくて、私もずっとつけられてたみたい。他の不倫相手もバレて、妻同士が結託してるって…。このままじゃとんでもない慰謝料を請求されちゃう。あやかさん助けて…」
文面から、礼子さんは震える声で訴えているようでした。
「助けてって言われても…」
私はスマホを握りしめながら、そう呟きました。これは礼子さん自身が選択してきた道のり、自業自得の結果なのではないか、という思いがこみ上げてきました。

