味覚障害を予防するためにできること

体調を崩したことによる味覚障害を防ぐことはできますか?
インフルエンザや風邪に伴う味覚障害を完全に防ぐのは難しいですが、日頃の工夫でリスクを下げることは可能です。まず、体調を崩さないことが一番の予防策ですので、手洗いやマスクの着用、予防接種などでインフルエンザ自体を防ぐ努力をしましょう。次に、万が一体調を崩してしまったときには早めの対処が重要です。鼻づまりが始まったら加湿や鼻うがいで鼻腔を清潔に保ち、症状が悪化しないようにします。口腔内が乾燥すると味覚が落ちるため、こまめに水分補給をして口腔内の潤いを保ちましょう。日頃から栄養バランスのよい食事をとり、特に亜鉛が不足しないように注意します。亜鉛は味蕾の新陳代謝に必須のミネラルで、亜鉛不足は味覚低下の大きな原因とされています。食品では牡蠣、レバー、赤身肉、卵黄、納豆、緑黄色野菜などに亜鉛が豊富です。こうした対策を日頃から行うことで、たとえ体調を崩しても深刻な味覚障害に陥るリスクを減らすことができるでしょう。
口腔内の乾燥は味覚に影響しますか?
はい、口腔内の乾燥は味覚に影響します。私たちが味を感じるためには、食べ物の成分が唾液に溶けて味蕾に届く必要があります。しかし口腔内が乾いて唾液が減っていると、その伝達がうまくいかず味を感じにくくなるのです。インフルエンザで高熱が出たり、水分摂取が不足したりすると、一時的に口腔乾燥が進んで味覚が鈍ることもあります。また、鼻づまりで口呼吸になると口内が乾きやすくなるため、これも味覚低下の一因です。したがって、インフルエンザの時は意識して水分補給を行ったり、室内を加湿したりして口腔の潤いを保つことが大切です。
編集部まとめ

インフルエンザにかかった際に一時的に味覚がおかしくなることは珍しくありません。主な原因は鼻づまりによる嗅覚低下であり、症状が改善すれば多くは自然に治っていきます。しかし、なかにはウイルス感染が引き金となって嗅覚・味覚の障害が長引くこともあります。味覚障害が長く続くと食事のおいしさを感じられず食欲が低下し、栄養状態の悪化や生活の質(QOL)の低下を招くことがあります。インフルエンザの後に「味がわからない」「何を食べてもおいしくない」といった症状が改善しない場合は、我慢せず早めに耳鼻咽喉科で相談しましょう。早期に対処することで、再び食事をおいしく味わえる日常を取り戻せるはずです。
参考文献
『感冒後嗅覚障害』(におい・かおり環境学会)
『インフルエンザの合併症―その対応策に予防接種を!!』(鳥取県医師会)
『新型コロナウイルス感染症と嗅覚・味覚障害』(東京大学)
『新型コロナウイルス感染症による嗅覚、味覚障害の機序と疫学、予後の解明に資する研究』(厚生労働省)
『「人生100年時代」を生き抜くために味覚に不安をもつ高齢者は増えている!』(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

