近年、日本や韓国をはじめとする東アジア地域では、梅毒の報告数が高い水準で推移し、若い世代の感染拡大が問題視されています。日本では2024年の暫定報告数が1万4663例、韓国でも同年の総症例数が2790例と報告されました。特に20〜30代を中心に感染が広がり、男性での報告が多いことが特徴です。今回、こうした梅毒の状況について、小幡医師にお話を伺いました。
※2026年1月取材。

監修医師:
小幡 史明(医師)
自治医科大学医学部卒業 / 現在は医療法人静可会三加茂田中病院、医療法人在宅会みんなのクリニック勤務 / 専門は総合診療科、腎臓内科、感染症科
日本の梅毒の発生状況とは?
編集部
日本の梅毒の発生状況について教えてください。
小幡先生
厚生労働省が発表したデータによると、日本の梅毒の発生状況は近年、増加傾向が続いています。2014年頃には年間およそ1700件だった報告数が、2018年には約7000件まで増加し、その後も増加が進んだ結果、2022年には報告数が1万件を超えました。2024年の報告数(暫定値)は1万4663人となり、2023年からはやや減少に転じていますが、依然として高い水準にあります。
年齢階級別にみると、女性は20代での報告が特に多い一方、男性では20代から50代まで幅広い世代にわたって報告がみられることが特徴となっています。全体として、若年層から中年層にかけて感染が広く分布していることが読み取れます。
韓国の梅毒の発生状況とは?
編集部
韓国の梅毒の発生状況について教えてください。
小幡先生
韓国疾病管理庁によると、韓国における2024年の梅毒の総症例数は2790例でした。性別では男性の割合が高く、男性の発生率は人口10万人あたり8.5であるのに対し、女性は2.4となっており、男性は女性のおよそ3.5倍の水準を示していました。年齢分布をみますと、症例は20代と30代に集中していました。とくに20代では人口10万人あたり14.0と発生率が最も高い結果となっています。

