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予測不能なショートホラー漫画をSNSに公開している誰でもないさん(@daredemonaidare)。SNSに発表されたオリジナル作品「リリベルちゃん」は、小学校で流行するささやかなおまじないが、想像を超える恐怖の事態を引き起こす物語だ。今回は、作者の誰でもないさんに、本作のアイデアやホラーを描くうえでのこだわりについて話を聞いた。
■おまじないが「死」を撒き散らす呪いに



雑誌がきっかけで小学生の間で広まった「リリベルちゃん」のおまじないは、ちょっとした罰を与える程度のものだった。しかし、いじめを受けていた春香と友人の彩は、いじめっ子の相沢さんに何度も何度もこのおまじないをかけ続ける。
すると、相沢さんは何事もないどころか、逆に春香たちが交通事故に遭ってしまう。しかも、事故を起こした車には相沢さんが乗っていて、一見するとおまじないが自分たちに返ってきたように見える。だが、相沢さんは突然土下座し、事故の一部始終を語り出したのだった。
罰の内容も範囲も、もはやおまじないではなく本物の「呪い」になってしまう展開。人間と怪異の恐ろしさが入り混じったこの作品について、誰でもないさんに舞台裏を聞いた。
■人間と怪異、どちらが恐ろしいのか
「本作のアイデアのきっかけを教えてください」という質問に、誰でもないさんは「子どもに流行るような軽いおまじないから怖いことが起きる、というものを描こうと思ったのがきっかけです」と答えた。
「むごいいじめ、異形のリリベルちゃん、交通事故、事故の真相と、種類の違う恐怖が立て続けに描かれますが、特に思い入れのあるシーンはどこですか?」と尋ねると、「事故の後、車から降りてくる相沢さんの表情の怖さですかね。その表情の理由は死に怯えていたからだった、という部分です」と明かした。
被害者と加害者の立場や心境が入れ替わる描き方について聞くと、「『人を呪わば穴二つ』に尽きます」と答えた。
また、リリベルちゃんの極端な存在が、人間と怪異のどちらが恐ろしいのか考えさせられる作品でもある。ホラーを描くうえで人間と怪異をどう扱っているか尋ねると、「怖いという感情は、たどっていくとすべて『死』につながるものなので、死と人間をつなぐ流れを具現化した姿が怪異なんだと思います」と語った。
取材協力:誰でもない(@daredemonaidare)
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