生活費を渡したが…
その温かな余韻に浸りながら実家の門を叩いた私を待っていたのは、想像もしなかった母の姿でした。
「あ、茜、お帰りなさい。さて、例のものだけ預からせてね」
靴を脱ぐ間もなく、母は私の顔を見るなり手を差し出しました。
「……え?」
「生活費。あちらのおうちにも渡したんでしょ?」
まるで取り立て屋のような母の態度に、私は戸惑いながらも、義実家での経緯を話しました。お金は受け取ってもらえなかったから、代わりに新幹線のチケットを渡したこと。生活費としてはもともと義実家に渡す予定だった額と同額であることも。
私が差し出した封筒を受け取り、中身を確認した母は、鼻で笑いました。
「……ありがとう。ペットのお世話代と同じでも、いただいたらうれしいわね」
どこか冷たく鼻で笑うようなその一言。優しかった母がどうしてこんな状態になってしまったのか、私は皆目見当がつかないままでいました。
あとがき:実母の「裏の顔」が見えた瞬間
一番信頼していた人の口から、あからさまなお金の要求をされて戸惑う茜。嫁いだ以上は生活費を渡すのは自然なことなのかもしれませんが、義実家の無償の優しさが、皮肉にも実母の異様さを際立たせる展開に、違和感を覚えているようです。幸せなはずの出産準備が、不穏な影に覆われていく幕開けです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

